自民党の金融調査会(伊藤達也会長)が近く政府に提出する提言案が19日、明らかになった。福島県いわき市のいわき信用組合で発覚した不正融資問題を受け、財務局に「専門検査官」を創設することを柱としている。また、高市早苗政権が掲げる人工知能(AI)など戦略17分野を金融面で支援するため、官民連携フォーラムを設置することも求める。提言案は週内に取りまとめられ、首相官邸に提出される予定だ。
いわき信組問題の背景
いわき信用組合をめぐっては、公的資金が投入されているにもかかわらず、法令違反や不正融資が繰り返されていた。金融庁や財務局の検査が長期間にわたって問題を看過していたため、金融行政の検査のあり方自体が厳しく問われることとなった。
専門検査官制度の導入
提言案では、全国の財務局に専門職としての専門検査官制度を導入し、体系的かつ中期的にモニタリングできる人材の育成・確保を求めている。具体的には、専門的な知識と経験を持つ検査官を配置し、金融機関の経営状況やリスク管理をより詳細に監視することを目指す。また、専門職導入に伴い、財務局の人員を増やすことも提言に含まれている。
官民連携フォーラムの設置
さらに、高市政権が成長戦略の柱とする17分野(AI、半導体、バイオテクノロジーなど)を金融面から支援するため、官民連携フォーラムの創設を提案。政府機関と民間金融機関が協力し、戦略分野への投融資を促進する仕組みづくりを目指す。
自民党金融調査会はこれらの提言を週内にまとめ、首相官邸に提出する。政府は提言を踏まえ、金融検査体制の強化や新たな金融支援策の具体化を進める方針だ。



