新型AI(人工知能)「クロード・ミュトス」の脅威に対応するため、政府と金融機関などで構成する官民連携会議が、サイバー攻撃のリスクがある場合に金融機関側の判断で金融システムを「能動的に停止」する選択肢を検討していることが明らかになった。この案は作業部会で示された「短期的な対応」の一部であり、朝日新聞が入手した資料で判明した。
官民連携会議の構成と目的
官民連携会議は片山さつき金融担当相が主導し、金融庁、日本銀行、3メガバンクなどの金融機関、ベンダー企業やIT大手など30以上の企業・団体で構成されている。5月14日には実務者による作業部会の初会合が開催された。
短期的対応案の内容
作業部会で提示された「短期的な対応」案では、ミュトスに代表されるフロンティアAIが金融機関のシステムに与える脅威として、脆弱性が短期間に大量に検出される可能性を指摘。さらに「実際の攻撃までの期間が大幅に短縮される」と危機感を表明した。
その上で、「全社的な課題として扱い、部門横断的に連携して対応できるよう、経営層としてのコミットメントが不可欠」と強調。作業部会の関係者は「発想の転換が必要」と述べている。
能動的停止の検討
同案では、サイバー攻撃のリスクが高まった場合、金融機関が自らの判断でシステムを能動的に停止することも選択肢として含まれている。これにより、被害の拡大を防ぐ狙いがある。ただし、システム停止が経済活動に与える影響も大きく、慎重な判断が求められる。
今後、作業部会ではさらに具体的な対応策を詰めるとともに、ミュトスの開発元である米アンソロピック社などとの連携も視野に入れている。



