有利子奨学金の利率が近年急上昇しており、返済に苦しむ人が増える恐れがあるとして、弁護士や司法書士らで構成される「奨学金問題対策全国会議」は、5月23日に全国一斉の電話相談会を開催することを発表した。相談会の電話番号は050(3668)8172で、受け付けは午後1時から5時まで。相談自体は無料だが、通話料は相談者の負担となる。
利率の急上昇と返済への影響
日本学生支援機構が提供する有利子の第2種奨学金には、貸与期間中の利率を固定する方式と、約5年ごとに利率を見直す方式がある。2022年3月時点で固定方式の貸与利率は0.369%だったが、2026年3月には2.423%にまで上昇し、上限として定められている3%に迫っている。
同会議の試算によると、大学4年間で毎月10万円の第2種奨学金を借り、20年間かけて返済する場合、利息総額は2022年3月卒業生で約18万1千円だったのに対し、2026年3月卒業生では約125万9千円と、100万円以上も増加するという。この急激な利率上昇は、多くの学生や卒業生の家計を圧迫することが予想される。
専門家の見解
共同代表を務める武蔵大学の大内裕和教授は、「利率の上昇は、進学を断念する高校生を増やし、アルバイトに追われる大学生を増やす危険性がある」と指摘する。奨学金の返済負担が重くなることで、教育機会の格差がさらに広がる懸念がある。
同会議では、このような状況を踏まえ、利率上昇による影響を少しでも軽減するため、電話相談会を企画した。相談では、返済計画の見直しや減額申請の方法、債務整理の選択肢などについて、専門家がアドバイスを行う予定だ。



