中東情勢の混乱がナフサ供給を不安定化、建設資材不足で住宅建設が停滞
中東混乱でナフサ供給不安、建設資材不足が深刻化

中東情勢の混乱がナフサ供給を直撃、建設業界に深刻な資材不足の波

中東地域の情勢不安定化に伴うナフサの供給不安が、日本の建設業界を揺るがしている。建築資材の調達が困難となる中、価格の高騰も相まって、現場では工事の停滞と資金繰りの悪化が深刻化。米国とイラン間の戦闘終結を巡る再協議は難航しており、先行きは不透明なままだ。この状況が住宅価格のさらなる高騰につながれば、市民生活への影響は避けられない見通しである。

資材入荷停止で工事が行き詰まる現場の苦悩

「いつになったら資材が入荷するのか」。愛知県一宮市で住宅2棟の建設を担当する大邦建設の現場監督、竹内裕喜さん(36)は、途方に暮れた表情で語る。中東情勢の不安定化以降、資材メーカーが断熱材や水道配管、防水材などの受注を制限。原料となるナフサの供給不安がその背景にある。

住宅2棟のうち1棟は基礎工事を終えているが、床下に敷く断熱材の入荷が止まり、工事は先に進められない状態だ。顧客である不動産会社からの代金は工程ごとに支払われるため、資金回収も滞っている。さらに資材メーカーから値上げを通告され、営業部長の山室有史さん(56)は「計算していた資金が入らず、資金繰りは厳しい。そこに値上げが重なり、まさに負のスパイラルだ」とため息交じりに訴える。

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塗装業界もシンナー不足に直面、従業員の休業も懸念

ドアや外壁パネルなどの塗装を手がける丸武塗装(名古屋市西区)では、ナフサ由来のシンナー不足が深刻化している。シンナーは塗料の希釈や洗浄に不可欠だが、3月後半から品薄が顕著になり、4月に入ると入荷が困難に。取締役専務の松川敦志さん(54)は「もう、全然入ってこない。お手上げです」とこぼす。

1970年代のオイルショック時にも品薄を経験したが、「ここまでひどい状態は初めて」と危機感を強める。ビニールなど他のプラスチック製資材も入手しづらくなり、知り合いの塗装業者からは「資材が何もないので仕事ができない」との嘆き声が漏れているという。

シンナーは当面、在庫でしのげる見通しだが、供給不足が長期化すれば約20人の従業員に休業を余儀なくされる可能性がある。建設現場での工期遅れが生じれば、「一般の消費者にも影響が出かねない」と懸念する声が上がる。

経済産業省は流通段階の「目詰まり」を指摘

経済産業省はシンナーについて「国内の石油供給は足りている」と強調する一方、商社から小売業者に至る流通段階で「供給の目詰まりや偏り」が発生していると分析。解消に努める考えを示すが、現状では明確な見通しが立っていない。松川さんは「早く事態が改善し、川下の中小事業者にも資材が回ってくるようにしてほしい」と切実に求める。

住宅価格への波及と市場への影響

都市部を中心に全国的に高騰する新築住宅価格は、今後どうなるのか。名古屋市の不動産鑑定士、松原孝文さんは「購入を諦める層が多くなれば価格は抑制的になるが、高くても買う層が上回れば高騰は維持されるだろう。まだ見極めきれない」と話す。

資材価格の上昇分は住宅価格に転嫁せざるを得ず、「ハウスメーカーへの価格上昇圧力が強まっていくのは間違いない」と分析。中古住宅市場が活況を呈する可能性も示唆する。

名古屋市近辺では、ファミリー層を中心に郊外に住宅を建てる前提で賃貸マンションやアパートに住む人が多い。住宅購入を諦めて賃貸物件にとどまる人が増えれば、「家賃の上昇につながっていくだろう」と推測された。資材不足が建設業界のみならず、広く市民生活に影を落とす構図が浮き彫りになっている。

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