京大附置研シンポに中高生700人 最先端研究に「すごく面白い」と感動
京大シンポに中高生700人 最先端研究に感動 (16.03.2026)

最先端研究に中高生700人が熱視線 京大シンポで未来の研究者育成

京都大学(左京区)で15日に開催された京都大学附置研究所・センターの第21回シンポジウム「知の交差点からみる自然 人間 社会」は、15年ぶりの開催にもかかわらず大盛況となった。読売新聞社などが後援するこのイベントには、オンライン参加者を含む約700人の中高生が集結し、最先端の研究内容に熱心に耳を傾けた。

多分野の研究者が研究成果をわかりやすく解説

「研究メトロポリスが描く未来」をテーマに、6人の研究者が順に講演を行った。エネルギー理工学研究所の近藤敬子准教授は、酵素を用いて木材から有用な物質を取り出す方法について詳しく説明。「木材を循環する資源として再生可能であり、製品が長期間使用されるほど、地球温暖化の原因となる二酸化炭素を固定化できる」と、その環境的意義を強調した。

複合原子力科学研究所の渡辺翼准教授は、がん細胞だけを選択的に攻撃する次世代の放射線治療法「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)」について解説。「体の深部まで効果的に届き、様々な部位のがん治療への応用可能性が徐々に見えてきている」と、研究の進展とやりがいを語った。

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数学と経済学の意外なつながりに新鮮な驚き

数理解析研究所の入江慶准教授は、ビリヤードの球の動きを数学的観点から幾何学と結びつけて解説。「一見単純な題材でも、様々な理論と関連していることが理解できると非常に興味深い」と、数学の魅力を伝えた。

経済研究所の原千秋教授は、市場経済における資源配分の効率性に関する古典的な命題を取り上げ、「経済学は単なる金儲けの学問ではなく、時に不合理な消費者の行動を解明してきた。環境変化に対応し、より良い社会状態を実現する方法を探求したい」と語り、経済学の社会的意義を強調した。

パネル討論で多分野交流の可能性を議論

講演後のパネル討論では、6人の研究者に加えて時任宣博副学長らが登壇。参加者は人生や研究の転機を振り返りながら、異なる分野間の交流がもたらす研究の可能性について活発な意見交換を行った。多様な専門領域が交差する「知の交差点」の重要性が改めて確認された。

中高生からは「研究者になりたい」との声も

参加した小学6年生の児童(12歳)は、「放射線でピンポイントに治療できる技術は本当に素晴らしいと感じました。まだ具体的にどの研究をしたいかは決まっていませんが、将来は研究者になりたいという思いが強くなりました」と目を輝かせて語った。

中学3年生の生徒(15歳)も、「これまでバラバラだった自分の知識がつながり、非常に新鮮で面白い体験でした。さまざまな分野の研究が社会とどう結びついているのか理解できました」と、学びの機会に感謝の意を表した。

このシンポジウムは、次世代を担う若者たちに最先端研究の魅力を伝え、未来の研究者育成に貢献する重要な機会となった。京都大学では、今後もこうした教育啓発活動を継続していく方針を示している。

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