能登の復興活動に繰り返し参加する首都圏の大学生たち 伝統文化と人柄に魅了され「また来ます」の関係に
能登の復興活動に繰り返し参加する首都圏の大学生たち

2024年の能登半島地震の被災地でのボランティア活動をきっかけに、東京などの大都市部ではなかなか体験できない伝統文化や住民の人柄に魅せられ、継続的に交流する「関係人口」になっている若者が少なくない。「また来ます」「お帰り」を言い合えるつながりが、息の長い復興を後押ししている。

休学して能登に滞在

江戸時代から明治にかけ、北前船の船主や船乗りの集落として栄えた石川県輪島市門前町黒島町に昨年8月17日、法被をまとった大勢の若者の姿があった。若宮八幡神社の夏季大祭「黒島天領祭」に参加するため、都会などから駆けつけた大学生らだ。通りで曳山を引っ張ったり、みこしを担いだり。住民と声をかけ合い、誰もが満足そうな表情を見せた。

「昔からの文化や暮らしが残っていて、豊かな場所だと感じた」。そう語る慶応大4年の飛川優さん(23)=東京都八王子市=もその一人で、1週間ほど黒島に滞在した。大学で防災を学んでいることもあり「これからどう復興していくのか知りたい。そのためには住まないと分からない」と、同年10月から11カ月間、大学を休学しゲストハウスで寝泊まりしながら業務を手伝うなどした。

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「サポーター」登録1000人超

この間、再び天領祭に参加したほか、畑仕事などもして地元の暮らしを体感し、ほとんどの住民と顔見知りになった。東京へ戻った後も黒島との縁は切れず、毎月のように訪れて、仲良くなった男性の家に泊まりさらに交流を深めている。今年の大型連休中は、黒島滞在時に覚えた太鼓を、能登空港(輪島市)で開かれたイベントで住民らと一緒に披露した。

関係人口の拡大に向け、石川県が立ち上げたポータルサイト「いしかわのWa!」のサポーター登録者数は、2月末時点で1000人を超えた。県外居住者が67%を占め、関東圏が目立つ。天領祭に参加する若者の取りまとめ役を任されている飛川さんによると、これまで黒島に来たことがある大学生らのうち100人以上が今夏、来訪の意向を示している。これまで伝統的な祭りに深く携わった経験がなく、新鮮さを感じている人が多いという。

「お帰り」と言ってくれる相手が増えて

飛川さんは「電話番号やLINEを交換し、住民の家に泊めてもらっている学生はたくさんいる。皆、祭りなどいろいろな体験をして、『お帰り』と言ってくれる相手が増え、思い入れのある街になっている」と話す。自身も「卒業後の進路はまだ決まっていないけど、どんな仕事をしようが黒島とはずっと関わっていく。いい関係を継続していけたら」と願う。

過疎化が進む黒島は住民の大半が高齢者だ。若者を中心に関係人口が増えた現状を住民も歓迎する。若宮八幡神社の氏子総代長、林賢一さん(77)は「何でも積極的にやってくれる若者の姿を見て、年寄りが背中を押されている。『また来ます』と話すのを聞くだけで元気が出る。彼らがいるおかげで、復興に向けて進んでいける」と強調した。

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