東芝家電の新たな挑戦 Z世代獲得へブランド若返りを推進
経営不振に陥った東芝が生活家電事業の子会社「東芝ライフスタイル」を中国メーカーに売却してから、今年で10年を迎えます。社名を変えずに外資のもとで一定の再建を果たした同社ですが、家電業界の競争は激しさを増しています。東芝ライフスタイルの白戸健嗣社長が朝日新聞のインタビューに応じ、次世代の家電で注力するポイントを語りました。
売却から10年 黒字化への道のりと投資余力の確保
東芝が中国の家電大手「美的集団」に東芝ライフスタイルを売却したのは、2016年のことでした。東芝には、電気洗濯機や電気冷蔵庫、電気炊飯器など数々の「国産初の家電」を生み出してきた輝かしい歴史があります。しかし、その伝統ある家電事業を手放さざるをえないほど、当時の経営状況は深刻だったのです。
2020年に黒字化を達成し、以降は安定して利益を出している同社。「ようやく、次世代に向けて投資ができるようになった」と、白戸社長は語ります。黒字化までの道のりには、東芝時代の「慣例」を見直す取り組みが大きく貢献しました。
次世代家電への注力ポイントとZ世代へのアプローチ
白戸社長はインタビューの中で、以下の点を特に重視していると強調しました。
- デザイン性と機能性の融合による商品開発
- サステナビリティを考慮した環境配慮型製品の拡充
- スマート家電とIoT技術の積極的な導入
- Z世代のライフスタイルに合わせた使いやすさの追求
同社は、若年層であるZ世代を主要ターゲットに据え、ブランドイメージの若返りを図っています。具体的には、ソーシャルメディアを活用したプロモーションや、コラボレーション商品の展開などを通じて、新しい顧客層の開拓に力を入れているのです。
激化する家電業界での生き残り戦略
日本の家電メーカーは全体的に事業規模の縮小を余儀なくされる中、東芝ライフスタイルは外資傘下という独自の立場を活かした戦略を展開しています。美的集団のグローバルネットワークと技術力を背景に、国内市場での存在感を維持しながら、国際的な競争力の強化にも取り組んでいます。
白戸社長は、「過去の栄光に頼るのではなく、常に革新を続けることが重要だ」と述べ、変化の激しい市場環境に対応する姿勢を示しました。今後は、AIを活用した家電製品の開発や、パーソナライズされたサービス提供にも注力していく方針です。
東芝ライフスタイルの今後の動向は、日本の家電産業全体の行方を占う重要な指標となるでしょう。ブランドの歴史と新たな技術を融合させ、どのようにして次世代の消費者にアピールしていくのか、その手腕が問われています。



