双葉町に製造工場を置くタオル製造販売の浅野撚糸(岐阜県)と、繊維専門商社大手のスタイレム瀧定大阪(大阪市)は14日、国内外のファッション市場に向け、共同で新ブランド「SORAITO(ソライト)」を設立したと発表した。浅野撚糸が独自に開発した撚糸「スーパーZERO」をスタイレム瀧定大阪の技術で服用の布地に取り入れ、耐久性がありながらも滑らかな肌触りと柔軟性、軽量感を実現した。早ければ9月にも国内市場で流通を始め、双葉発で世界展開を仕掛ける戦略だ。
浅野撚糸の浅野雅己社長とスタイレム瀧定大阪の瀧隆太社長が14日、双葉町の浅野撚糸双葉事業所で記者会見し、戦略的パートナーシップを結んだと明らかにした。両社が製品開発やブランディング、マーケティングで協力する。輸入品が98.8%を占め、海外製品に押されている日本繊維業の復活を目指す。ソライトは空のように空気を含み、軽やかでありながら存在感があり、1本の糸から新しい心地良さを世界に届けるとの思いを込めた。編み物のTシャツやスエット、ジャージーを製品化後、織物のジャケットやパンツ、シャツ、スポーツウエアと幅広い商品展開を狙う。
誕生のきっかけは、スタイレム社の製品担当がスーパーZEROを用いたタオル製品「エアーかおる」の質の高さに感銘を受け、製品開発を切望したことだった。「スタイレム社は日本最大級の繊維商社で、敷居すらまたげない存在。提携は夢のよう」と浅野社長。浅野撚糸も服用の布地開発に挑んできたが、耐久性を持たせるのが難しく、世界市場への進出は困難だった。新ブランドの発足により「日本の繊維業が世界に攻めていく」との考えで一致し、戦略的な連携へ踏み込んだ。
2023年開業の双葉事業所は稼働率が約50%にとどまり、新製品が軌道に乗れば稼働率の向上が期待される。浅野社長は「福島、双葉のブランディングを意識し、両社で手を合わせて取り組む」と強調し、瀧社長も「福島の地から世界へ日本のものづくりを発信していく」と意欲を見せた。



