ANAが小型固定翼ドローンで災害調査事業に参入、山間部や半島での被害確認を迅速化
ANA、小型固定翼ドローンで災害調査事業に参入 (14.03.2026)

ANAホールディングス、災害対応で小型固定翼ドローン事業に本格参入

ANAホールディングス(HD)は、災害時に山間部や半島での被害調査を迅速に行うため、小型固定翼ドローンを活用した新事業への参入を決定しました。高速で長距離飛行が可能なこのドローンは、2026年3月にスイスの産業用ドローンメーカーと覚書を結び、企業や自治体向けに売り込む計画です。

機動性と広範囲調査を両立する小型ドローンの特徴

導入するドローンは翼幅1.2メートル、重さ5.2キロとコンパクトで、1人で持ち運びが可能です。搭載カメラにより、老朽化が進む橋や鉄塔などのインフラ設備を点検し、異常検知に役立てます。災害時には、土砂崩れや地面のひび割れ、インフラ破損などを詳細に調査できます。

2025年10月に長崎県の雲仙・普賢岳で実施した実証実験では、30分間の飛行で約150ヘクタールの範囲をカバーし、砂防施設の細かいひび割れや状態変化を検知することに成功しました。これにより、従来の方法よりも迅速かつ正確な被害把握が可能となります。

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能登半島地震の教訓を活かした機動的運用

ANAHDは、2024年の能登半島地震で大型ドローンによる観測を行いましたが、被災地への運搬に時間がかかるなどの課題が浮き彫りになりました。この経験から、機動的に運用できる固定翼付き小型ドローンの導入を決断しました。このドローンはヘリコプターより小回りが利き、固定翼がない小型ドローンよりも広範囲を調査できる特長があります。

物流事業への展開と他社の動向

同社は2027年をめどに、翼幅7メートルの大型ドローンを使った物流事業も開始する予定です。災害時に孤立した地域へ食料や救援物資を運ぶ役割を担い、社会インフラの強化を図ります。

固定翼付きドローンの事業活用は他社にも広がっており、伊藤忠商事は2026年1月に航空測量で測量大手パスコなどと協業を発表。平常時は血液製剤や医療機器の運搬を計画し、災害時にも活用を目指しています。また、JR東日本は豪雪地帯での沿線斜面の積雪状況調査や雪崩危険性分析の実証実験を進めています。

政府の資格新設で市場拡大を後押し

市場の拡大を受け、政府は固定翼付きドローンに特化した国家資格(技能証明)を2026年内に新設する方向で調整中です。現状では滑走路を使用する難易度の高い無人飛行機用資格が必要ですが、新資格により取得が容易になり、普及が加速すると期待されています。

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