教育資金贈与信託が3月末で終了 富裕層偏重で制度廃止、こどもNISAに移行
教育資金贈与信託3月末終了 富裕層偏重で廃止 (09.03.2026)

教育資金贈与信託が3月末で終了 富裕層偏重が制度廃止の背景に

祖父母や親が子や孫の将来の教育費を贈与しても課税されない「教育資金贈与信託」が、2024年3月末をもって終了することが明らかになりました。2026年度の税制改正において、生前贈与をめぐる非課税制度が打ち切りとなるためです。この制度は利用者が富裕層に偏っていることが指摘されており、近年は利用の伸び悩みも見られていました。

制度の概要と利用実績

教育資金贈与信託は、高齢者の資金を子育て世代に移転する目的で、2013年4月に開始されました。通常、年間110万円を超える贈与には贈与税が課せられますが、この制度では子や孫1人あたり最大1500万円の教育資金を一括で贈与しても非課税となる特例が設けられていました。

金銭を管理する信託銀行などが加盟する信託協会のデータによると、2025年9月末時点での累計契約数は27万7366件、贈与額は2兆1291億円に達しています。制度開始当初は年間数万件の伸びを示す年もありましたが、関心の高い層の利用が一巡したことで、近年は鈍化傾向が続いていました。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

富裕層偏重と格差固定化の懸念

この制度の利用者は富裕層が多く、経済的格差の固定化につながるとの批判もありました。また、教育無償化の範囲が拡大し、家庭の教育費負担が軽減されたことも、制度の打ち切りに影響を与えた要因の一つと考えられています。

さらに、2027年からは新NISA(少額投資非課税制度)の「つみたて投資枠」における年齢制限が撤廃され、教育資金を運用できる「こどもNISA」が開始されます。これにより、教育資金贈与信託の意義が薄れたとの見方も出ています。

金融機関の対応と今後の展望

三菱UFJ信託銀行をはじめとする金融機関では、新規募集の終了に伴い、既存契約者の対応に注力しています。高校無償化の拡大が制度廃止に与えたインパクトは大きく、教育資金をめぐる税制優遇措置の在り方が見直されることになりました。

今後は、こどもNISAを中心とした教育資金の準備方法が主流となる見通しです。政府与党は、年齢制限の撤廃やゼロ歳からの利用を可能とする調整を進めており、より広い層が利用できる制度への移行が図られています。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ