銀行員の機転が高齢者を詐欺から守る 福岡県警が感謝状を贈呈
福岡県警久留米署は7日、ニセ電話詐欺の被害を未然に防いだ功績を称え、北九州銀行久留米支店の行員である川尻麻美さん(43)に感謝状を贈呈しました。この表彰は、金融機関の職員が顧客保護のために迅速かつ適切に対応したことを評価するものです。
不審な言動に気づき別室で面談
事件は1月26日午後に発生しました。70歳代の男性が同支店の窓口を訪れ、「投資のために120万円を現金で払い出してほしい」と申し出ました。この要求を受けた川尻さんは、男性の様子に違和感を覚え、詳細を確認するため別室での面談を実施しました。
面談中、川尻さんは男性の言動や目つき、挙動から強い不審を抱きました。具体的には、以下のような点が不自然だったとされています。
- 投資の詳細について明確な説明ができない
- 焦りや緊張した様子が目立つ
- 電話での指示に従っているような言動が見られる
これらの状況から、川尻さんはニセ電話詐欺の可能性が高いと判断し、直ちに久留米署に通報しました。
金融機関の役割と警察の評価
感謝状を授与した那須重人署長は、川尻さんの迅速な対応を高く評価しました。一方、川尻さんは「金融機関で働く者として、お客様を守ることができて本当にうれしく思います」と述べ、職務への責任感を示しました。
永野裕幸・生活安全1課長は記者会見で、「金融機関は詐欺被害を防ぐ最後の砦です。今回のように意識の高い対応をいただき、大変感謝しています」とコメント。金融機関と警察の連携の重要性を強調しました。
増加するニセ電話詐欺の被害状況
久留米署管内では、詐欺被害が深刻化しています。同署の発表によると、2月末時点で既に5件のニセ電話詐欺被害が発生しており、これは前年同期比で2件増加しています。被害総額は約660万円に達し、前年同期と比較して約300万円も増加している状況です。
近年、巧妙化する詐欺手口に対し、金融機関の職員による警戒と早期発見がますます重要となっています。今回の事例は、職員の適切な対応が大きな被害を防ぐことができることを示す好例と言えるでしょう。
警察当局は、引き続き金融機関との連携を強化し、特に高齢者を標的とした詐欺被害の防止に力を入れる方針です。同時に、市民に対しても不審な電話や要求があった場合は、すぐに警察や金融機関に相談するよう呼びかけています。



