大井川鉄道(大鉄、島田市)が検討する井川線(25・5キロ)の観光列車化と料金値上げ計画について、川根本町が11日付で見解を公表した。町は経営改善の取り組みとして一定の理解を示す一方、「計画案の提示から施行までの期間があまりにも短く、町民から不安の声が上がった」と指摘。「意見に耳を傾けながら今後も連携や協力関係の強化に努めてほしい」と求めた。
町の見解と背景
町の見解では、井川線を「地域に欠かせない重要な資源」と位置づけ、「復旧と沿線地域の活性化のため、町民や観光関係者、大鉄関係者同士の連携・協力が不可欠。地域振興につなげるため、大鉄や地域住民とともにさまざまな事業展開を行う必要がある」と強調した。
町は2022年の台風で被災し一部区間が不通となっている大井川本線の復旧支援として、28年度までに大鉄に4億円を拠出する方針だ。
町によると、大鉄から4月14日、井川線の乗車を旅行商品として事前予約制に変更し、6月1日から料金を最大2・6倍以上に値上げするとの連絡を受けた。これに対し町議や住民から「急すぎる」「値上げ幅が大きく観光業に影響があるのでは」と反発が相次いだ。
大鉄の鳥塚亮社長は今月8日の地元説明会後、報道陣に「(値上げの)時期は現時点で未定」と述べ、6月1日からの値上げを見直す方針を示している。
知事の見解
鈴木康友知事は12日の定例会見で、この問題について「唐突だったのが問題で、(大鉄は)もう少し丁寧に発信すればよかった」と指摘。値上げ自体については「大鉄の持続的な経営を考えると、社長の判断に一定の理解は示せる」と受け止めを示した。一方、地方鉄道への行政支援については「一概には論じられない。個々の路線で住民の生活の便に供しているのか必要性を判断しなければならない」と述べた。
大鉄は今後、地域の理解を得ながら料金体系や実施時期を再検討する見通しだ。



