福井県で原子力防災セミナー開催、住民と共に屋内退避のあり方を議論
福井で原子力防災セミナー、屋内退避を住民と議論

福井県で原子力防災セミナーが開催、住民と共に屋内退避のあり方を議論

東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故から、まもなく15年を迎えます。この事故の教訓を踏まえ、福井県では原子力防災への取り組みが進められています。2017年4月に設立されたNPO法人「ワネッツ」は、緊急時の避難支援を担う組織として、平時から住民との対話を通じて原子力災害への理解を深める「リスクコミュニケーション」に力を入れています。

セミナーで活発な意見交換、地域特性を考慮した対応を検討

2月28日、敦賀市でワネッツが主催する原子力防災セミナーが行われ、テーマは「屋内退避」でした。住民ら85人が参加し、グループに分かれて住宅街、漁村部、外国人住民が多い地域など、ケース別にどのように行動すべきかを話し合いました。屋内退避とは、原発事故発生時に放射性物質の体内への取り込みを抑えるため、外に避難せずに自宅などの建物内にとどまることを指します。

福島第一原発事故では、無理な避難をした高齢者や入院患者が、避難そのものが負担となり亡くなったケースもありました。これを教訓に、国の「原子力災害対策指針」では、原発から5~30キロ圏内の緊急時防護措置準備区域(UPZ)の住民は原則72時間、屋内退避をすることになっています。UPZは嶺南全域に加え、福井、鯖江、越前各市や南越前、越前、池田各町などにまたがっています。

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参加者から具体的な提案、地域ごとの課題を共有

セミナーでは、参加者から活発な意見が交わされました。例えば、「互いに安否確認ができるよう、あらかじめグループラインをつくっておく」、「3日間自宅で過ごせるよう、普段から備蓄を徹底する」などの具体的な提案があがりました。しかし、地域の特性によって求められる対応は異なります。沿岸部では、津波との複合災害となることも想定されるため、より慎重な計画が必要です。

福井市の大学2年生、中川誓さん(22)は、「地域性や季節などによって、退避のあり方が変わってくるので難しかった。福井市に住んでいるとあまり実感がなかったが、原発事故を考えるきっかけとなった」と語りました。この「きっかけ」をつくることが、ワネッツの狙いの一つです。

ワネッツの活動とリスクコミュニケーションの重要性

ワネッツは、専門性を生かし、原発事故発生時に自治体からの要望を受けて住民避難を支援するために発足しました。「ニーター」と呼ばれる緊急時援助隊員は現在、約100人在籍しています。平時は原子力防災訓練に参加するなどしていますが、住民への聞き取りから、屋内退避そのものが浸透していないことがわかりました。そのため、セミナーを通じて住民自身が理解を深め、必要な対策を考える機会を提供しています。

関西電力OBの肥田善雄理事長は、「住民には正確な情報を伝え、原発事故に対する不安を少しでも和らげることが重要」と強調しました。さらに、「平時から考え、意見交換することは、原子力事故だけでなく、他の災害対応にもつながるはず。地域の防災力向上につながれば」と期待を寄せています。この取り組みは、福井県全体の防災意識を高める一歩となるでしょう。

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