千葉大学柏の葉キャンパス(千葉県柏市)で、次世代型太陽光発電パネル「ペロブスカイト太陽電池」の農業への活用を目指す実証実験が本格的に始まりました。水田上部にペロブスカイト太陽電池と従来型シリコンパネルの双方を設置し、稲の生育状況や収穫量、品質への影響を比較します。発電性能や耐久性も調べ、生産現場での普及可能性を探ります。
産学5者連携による実証実験
実証実験は、千葉大学、ペロブスカイト供給元の積水ソーラーフィルム、設備設計・施工管理のTERRA、千葉銀行、ひまわりグリーンエナジーの5者連携で実施。農林水産省のみどりの食料システム戦略推進交付金を活用し、実証期間は3年間です。
実験の概要
柏の葉キャンパス内の約1100平方メートルの水田上部に、ペロブスカイトのフィルム型と既存の2種類のシリコン系太陽光パネルを設置。従来型は発電効率の観点から南向き設置に限定されますが、ペロブスカイトは表面を湾曲させられるなど設置の自由度が高く、農地に影が差す影響を抑える配置が可能です。また、軽量のため支柱の間隔を広げられ、作業性も向上します。
開所式と今後の予定
11日の開所式では、ペロブスカイト太陽電池の下で田植えが行われました。今後、稲の育成には千葉大学の学生も携わります。実証で発電される電力は同大学が買い取ります。
関係者のコメント
学術研究を担当する千葉大学の塚越覚准教授は「設備による影は通常作物にはマイナスですが、近年の酷暑の影響を回避できる可能性もあります。数値を取って検証したい」と説明。横手幸太郎学長は「再生可能エネルギーの地産地消や農産物の高付加価値化を実現し、持続可能社会の新たなモデルにしたい」と期待を述べました。



