島津製作所と理化学研究所は12日、川崎市の同社施設で、国際度量衡局(BIPM)と光格子時計の研究および実証で協力する覚書に調印した。BIPMは2030年に「秒」の再定義を予定しており、今回の協力はその実現に向けた重要な一歩となる。
光格子時計の実用化と国際協力
島津製作所は昨年、理研や東京大学の研究を基にした光格子時計を世界で初めて商品化した。この時計は、従来のセシウム原子時計よりも1000倍以上の精度を持ち、秒の再定義において中心的な役割を果たすと期待されている。覚書に基づき、3者は光格子時計の性能評価や国際比較の手法を共同で開発し、再定義に向けたデータを提供する。
専門家のコメント
調印式後の記者会見で、光格子時計を考案した香取秀俊東京大学教授(理研チームディレクター)は「時間の比較ツールを提供することで、再定義が少しでも早くなればうれしい」と述べ、技術の進展に期待を示した。また、島津製作所の山本靖則社長は「新たな国際協力態勢がつくられ、科学技術がさらなる高みに向かう一助になればうれしい」とあいさつした。
秒の再定義の意義
秒の再定義は、1967年以来の大幅な見直しとなる。光格子時計の超高精度により、GPSや通信技術、基礎物理学の研究など幅広い分野で時間計測の精度が向上し、新たな技術革新を促進すると見られる。今回の国際協力は、日本の技術力を世界に示すと同時に、国際標準の策定に積極的に関与する姿勢を明確にするものだ。



