「令和の米騒動」は、店頭からコメが消え、歴史的な値上がりを記録した未曾有の事態でした。現在、品不足は解消され価格も下がりつつありますが、生産・流通の現場では依然として混乱が続いています。本記事では、コメの三つの用途に着目し、その余波と課題を深掘りします。
せんべい原料は輸入米頼み
せんべい菓子「粒ごと製法 新潟仕込み」は、米どころ新潟県に本社を置く三幸製菓の主力商品です。工場も新潟県内にありますが、賞味期限「2026.08.26」の商品の原材料表示には「米(米国産、タイ産、国産)」とあり、外国産米が使用されています。倉田誠・購買部長は「安心してお求めいただける品質・価格のバランスと安定供給を最優先に考え、原料を採用している」と説明します。
スーパーやドラッグストアで販売される定番のせんべい菓子は、主原料が外国産米のものが目立ちます。「令和の米騒動」を経て国産米の増産が進んだはずですが、なぜ米菓業界では輸入米への依存が続くのでしょうか。背景には、国産米の価格高騰や安定供給の難しさがあります。
「おいしいコメ」づくりの影
一方、主食用米の分野では、高品質な銘柄米の生産が優先される傾向があります。しかし、その裏で、生産者の高齢化や後継者不足、農地の減少といった構造的な課題が深刻化しています。また、気候変動の影響で、これまでの品種では品質を維持できなくなるリスクも指摘されています。
主食用米の在庫「適正量」は
農林水産省は、主食用米の在庫量を適正に保つよう努めていますが、今回の米騒動では需給のバランスが大きく崩れました。在庫が適正水準を下回ると価格が高騰し、逆に過剰になると米価暴落を招く恐れがあります。今後、気候変動や国際情勢の変化を踏まえた柔軟な在庫管理が求められます。
「令和の米騒動」は、日本のコメをめぐる課題を浮き彫りにしました。輸入米への依存、生産現場の疲弊、在庫管理の難しさ――これらの問題に対処するためには、生産者、流通業者、消費者が一体となった取り組みが必要です。



