国の「マイナポイント事業」はどのような効果をもたらしたのか。会計検査院は2026年5月15日、調査結果を公表した。マイナンバーカードの申請件数は同事業の前後で6769万件増加したものの、マイナポイントの申し込み自体は目標の9500万人に届かず、7556万人にとどまった。事業の支出額は総額で1兆3905億円に達した。
マイナポイント事業の概要
この事業は総務省などが2019年度から2023年度にかけて実施した。マイナンバーカードを既に保有している人や新たに取得した人に対し、買い物やチャージに応じて最大5000円分のポイントを付与する形で開始された。続く「第2弾」では、マイナ保険証の申し込みと公金受け取り用口座のひもづけを行うことで、それぞれさらに7500円分のポイントが付与された。目的はマイナンバーカードの普及と消費の活性化だった。
調査結果の詳細
会計検査院は参議院の要請を受けて調査を実施。その結果、事業の前後でカード申請は6769万件、マイナ保険証の登録は6170万件、公金受取口座の登録は6097万件増加したことが明らかになった。一方、マイナンバーカードは本人の希望などにより93万枚が廃止され、マイナ保険証も15万件が利用解除されていた(2025年7月時点)。検査院は利用を促進するための対策を検討するよう求めた。
消費活性化への効果
消費活性化の効果については、検査院は1兆2239億円と試算。買い物などに応じたポイント付与の場合、消費者が自己負担で2万円を支払う必要があったため、その分を含めると2兆4604億円の消費活性化効果があったと試算している。消費活性化については当初から目標が設定されておらず、効果額も明確になっていなかった。
検査院の指摘に対し、総務省は「事業効果の把握は重要な観点であり、適切に対応したい」とコメントした。また、広報業務にも課題が見つかっており、今後の改善が求められる。
この事業は総額1兆3905億円の支出に対して、カード申請の増加や消費活性化に一定の効果があったと評価できるが、ポイント申し込み数が目標に届かなかった点や、カード廃止・保険証利用解除の事例が見られた点など、課題も浮き彫りになった。会計検査院は総務省などに対し、効果の検証と利用促進策の強化を求めている。



