トラックドライバーが内閣総理大臣賞受賞、安全運転のノウハウを全国に伝える
トラックドライバーが最高賞受賞、安全ノウハウを全国に伝授

トラックドライバーの技能コンテストで最高賞受賞、安全意識向上に貢献

九州・宮崎県を拠点とするトラックドライバー、高山涼太さん(29)が、全国のトラックドライバーが運転技能や専門知識を競うコンテストで、最高賞である内閣総理大臣賞を受賞した。この栄誉を契機に、高山さんは現在、他のドライバーたちに安全運行のノウハウを積極的に伝え、物流業界全体の意識向上に努めている。

家族の支えと挑戦の軌跡

高山さんは宮崎県新富町出身で、祖父と父もトラックドライバーという家庭に育った。幼い頃から父の仕事を間近で見て、「かっこいい」と憧れを抱き、助手席に乗せてもらうのが楽しみだったという。高校卒業後は、父の勧めで航空自衛隊に任期制自衛官として入隊し、警戒管制の職務に就いた。5年の満期を迎えた後、古里の宮崎に戻り、2020年4月に日本通運に入社。県内や近隣県での引っ越し荷物やコンテナ輸送を担当してきた。

2021年、上司の勧めで全国トラックドライバー・コンテストに初挑戦したが、県大会で敗退。運転ミスで頭が真っ白になり、実力を発揮できなかった。コンテストは高度な運転技術、関係法令、車両構造などの専門知識を競うもので、全日本トラック協会が主催し、安全意識の向上を目的としている。その後も挑戦を重ね、全国大会で5位入賞を果たすが、学科競技が特に苦手だった。妻に2人の子どもの世話を任せ、仕事から帰宅後に学科の勉強を続けたという。

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最後の挑戦で最高賞を獲得

家族の負担を考慮し、「最後の出場」と決意した2025年、高山さんは再び全国大会に進出。狭い道で車幅約2メートル50のトラックを操作する課題走行などを大きなミスなく遂行し、学科競技でも手応えを感じた。結果、1000点満点中996点をマークし、11トン部門で優勝。得点は全部門でも1位となり、見事に内閣総理大臣賞に輝いた。

受賞後、高山さんは今年3月に静岡県伊豆市で行われた日本通運の研修で、全国から集まったドライバーの指導役を担当。会社が企画したこの研修で、車体構造やトラック特有の危険性について熱心に講義し、安全運転の知識を共有した。

物流業界の課題とやりがい

物流業界ではドライバー不足が深刻な課題となっている。特に、2024年からトラックドライバーの時間外労働規制が強化された「2024年問題」の影響で、宮崎県内でも輸送能力の不足が懸念されている。県トラック協会によると、2025年6月末時点で所属事業所は467か所、車両台数は1万1953台。県総合交通課は「宮崎では物流の根幹をトラック輸送が担っている」と指摘し、消費者に対して、ゆとりを持った配送日の指定や宅配ボックスの活用を呼びかけている。

こうした状況の中、高山さんは仕事のやりがいについて、「お客さんから『ありがとう』と言われた時は、やっていて良かったと思う」と語る。興味を持つ人には、「大きなトラックだけでなく軽バンなど仕事はたくさんある。一歩踏み出してほしい」とエールを送る。今後も「誰かがやらなくてはならない仕事」として誇りを持ち続け、得た知識や経験を広めて意識向上に貢献したいと決意を新たにしている。

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