NHK Eテレの美術番組『日曜美術館』(毎週日曜9:00~)が「第42回ATP賞テレビグランプリ」の特別賞を受賞し、14日に東京都内のホテルで表彰式が行われた。番組ナビゲーターを務める坂本美雨が登壇し、50年にわたり美術を伝えてきた同番組への思いと、芸術が人々の生活や生命にもたらす力について語った。
50年の歴史とギネス世界記録
『日曜美術館』は、長年にわたって美術の魅力を伝え、芸術文化の普及と放送文化の発展に貢献した功績が評価された。放送開始から50年を迎え、放送回数は2,500回を超えたほか、今年には「週間ファインアートテレビ番組の最長放送」としてギネス世界記録にも認定されている。
坂本は「この50年間、制作に携わられた皆様を代表して、ここに立たせていただきます」とあいさつ。「芸術は本当に人間の営みなんだなということを、この番組に携わって実感しています」と、番組を通じて感じたことを述べた。
芸術が表現するもの
坂本は、芸術が表現してきたものとして、「美しい世界の景色」「色彩や光」に加え、人間の絶望や願望、喜び、日常の中にある小さな美しさや幸せを挙げた。さらに、時代ごとの抑圧への抵抗や、具象では表しきれない人間の深い精神世界も、芸術によって表現されてきたと指摘。「そういった表現の一つ一つは、生きてきた人間から生まれたもの。私たちは何年たっても、そこから受け取り続け、それを慰めとしたり、励ましとしたりすることができます」と強調した。
坂本は、時代を超えて人々の心を支える芸術について、「本当に私たちの栄養となってくれるものです」と表現。その上で「芸術が大事にされるということは、今を生きる私たちの生活、命が大切にされるということなのではないかなと思っています」と、芸術を守り伝えていくことの意味を語った。
今後の『日曜美術館』への願い
最後に坂本は、「芸術を通して、人間が一生懸命生きてきた、そして今も生きているということが伝えられるような、そんな『日曜美術館』であり続けたいです」と今後への願いを込めた。
50年間積み重ねてきた「作り手の感動」
制作統括の中野力氏は、『日曜美術館』が50年前に「お茶の間美術館」というコンセプトで始まったと説明。当時普及し始めたカラーテレビの魅力を生かす狙いもあったという。番組が続けてきたことは「本当にシンプル」だといい、「映像の力、コメントの力、ナレーションの力、そして作り手の感動」を込めた番組を制作してきたと振り返る。
「そうした積み重ねが50年つながってきたのではないか」と話し、制作者によって選ばれるATP賞の受賞を喜ぶと、「今後も感動や伝えたい思いを大事にしながら、制作を続けていきたい」と力を込めた。
表彰式では、司会をフジテレビの木村拓也アナウンサーとNHKの上原光紀アナウンサーが務めた。



