新幹線「つばさ」車内でショートショート執筆イベント、参加者が移動時間を創作に活用
新幹線「つばさ」車内でショートショート執筆イベント

走る新幹線の中で小説を執筆するユニークなイベントが、山形新幹線「つばさ」の車内で初めて開催された。イベント名は「物語を作る新幹線旅!山形を“想像してから”旅してみませんか」。参加者は山形へのイメージを膨らませながら、移動時間を創作活動に充てる一風変わった旅を楽しんだ。

車内で紙芝居による山形文化講座

イベントは6月14日、午前11時に東京駅を発車した「つばさ」の車内で行われた。参加者10人は、JR山形駅に勤務する社員から山形の文化や山岳信仰について紙芝居を使って説明を受けた。説明では、「サクランボの栽培は非常に手間がかかるが、農家にとってはかわいい我が子のような存在」といった食文化や、「吾妻連峰には白い猿の話が伝わっていて、見たら幸せになるとされる」といった伝承が紹介された。

ショートショート作家・田丸雅智が執筆指導

続いて、ショートショート作家の田丸雅智さん(38)が執筆法を指導。「形式などにとらわれず、とにかく自由に楽しく書いてほしい」と語り、山形に関する言葉と自身の好きなものから連想した単語を結びつけ、矛盾する言葉を作って発想を膨らませる方法を伝授した。

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参加者は午後0時頃、那須塩原駅の手前から約1時間半かけて、1000字程度のショートショートを執筆。田丸さんのアドバイスを受けながら、じっくり筆を進めた。午後1時45分頃に山形に到着し、各自が作品を持って山形を旅した。

新幹線内イベントは初、別所哲也も協力

新幹線内でこうしたイベントが行われるのは初めて。JR東日本などが主催し、俳優の別所哲也さんが代表取締役を務める「ビジュアルボイス」(東京都)が協力した。同社は短編映画や短編小説の募集などを行っており、別所さんが今年4月から東北芸術工科大(山形市)で客員教授を務めている縁で、つばさを使ったイベントが実現した。

参加者「移動時間があっという間」と好評

初めて小説を書いたという東京都新宿区の主婦(68)は、「執筆は思ったより簡単で、いつもは長い移動時間もあっという間。行き先のことを教えてもらえるのもよかったし、すごくいい旅だった」と笑顔で語った。

田丸さんは「移動時間で執筆することも多く、いつか新幹線でも講座ができたらと思っていた。山形は題材が多く魅力的。小説にも肉付けしやすく、すてきな作品が出来たと思う」とコメント。

JR東日本の菅原菜央主任は「参加者に作品作りを楽しんでもらえた。今後も新幹線内での楽しみ方を模索していきたい」と手応えを語った。

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