恋愛・婚活コンサルタントの松尾知枝氏が、これまで寄せられた相談の中から「忘れられない婚活男子」を紹介するシリーズ。今回は「『あ、そういうの知ってるんだー』とか上から目線で話してくるコンサル男子」を取り上げる。
高年収・ブランド力・でも止まらない指導グセ
婚活では、ときどき「これは当たりでは?」と期待値をぐっと吊り上げてくる男性がいる。今回の相手も、まさにそんな一人だった。大手外資系コンサルティングファーム勤務――その肩書きを聞いた瞬間、女性のテンションが上がったのも無理はない。給与水準も高く、近年では東大生の就職先として官僚より人気が出るほど。若いうちからロジカルシンキングなどビジネススキルを徹底的に叩き込まれ、大企業の社長や役員クラスと普通に議論する。普通の会社員なら数年かけて積むような経験を、数カ月単位で圧縮して身につけていくコンサル男子。そんな無敵キラキラ経歴の男性とのデート。そりゃもう期待しかない。
自己投資に余念がないコンサル男子。鍛えた胸板がわかるほどピチッとしたシャツにメガネ姿。女性いわく、とても知的セクシーだったという。
仕事の愚痴が即席コンサルに……ロジハラの実態
彼女が「最近ちょっと仕事がつまらなくて……」とこぼしたとき。返ってきたのは「うんうん、わかるよ」といった類の共感ではなく、まさかの怒涛の質問攻撃だった。「なぜ?」「根本課題は何?」「君のコアコンピテンシーは?」「どんなキャリアパスを描いているの?」という深掘り地獄。女性にしてみれば二人の会話を盛り上げるため、ネタ的に、軽く自己開示として仕事の愚痴を話しただけなのに、気づけば即席コンサル。本人としては真面目に相談に乗るつもりだったのかもしれないが、ここまでくるとただのロジハラ(論理的ハラスメント)である。
どうにか会話をやり過ごして話題は投資のほうへ。彼女はちょうどNISA口座を開設したばかり。円安も気になるから、外貨建て資産への分散も意識している――そんな話をしたそうだ。さっきは適当な話題で深掘りされて疲れたので、今度は自分も多少知識のある投資ネタにしようと思ったのだという。
「あ、そういうの知ってるんだー」――静かに冷める恋
すると彼は、ほんの一拍おいて、こう言ったとか。「あ、そういうの知ってるんだー」。は? 褒めているようで、まったく褒めていない。むしろ「へえ、君レベルでもそこまで知ってるんだ」とでも言いたげな失礼な発言。その瞬間、彼女の中で何かが静かに終わったのだという。恋が冷めるときは案外こういう、声高ではない失礼さだったりする。
おそらく彼に悪気はなかったのだろう。コンサルタントは、日々クライアントを導く仕事。そのせいか、無意識のうちに自分を“教える側”に置いてしまう人もいる。きっと彼も、投資の話で知識を披露し、頼もしいところを見せたかったのだと思う。ところが彼女は、NISAも円安も外貨分散もすでに自分で考えていた。それで予定が狂ってしまった。その拍子に出たのが「あ、そういうの知ってるんだー」だったのだろう。
婚活で求められるのは「指導役」ではなく「対等な関係」
おそらく彼は、コンサルタントとしては申し分なく超優秀。そこは間違いないのだろう。頭の回転も速い。課題を見つけて正しい方向に導く力もある。仕事ではかなり頼れる人。でも、婚活で求められているのは“有能な指導役”ではなく、対等に会話ができて、一緒にいて気持ちがラクな相手である。
松尾氏は「コンサル男子とのデートで気をつけたいのは、仕事モードをオフにできるかどうか。共感よりも解決策を優先するクセがあるので、あえて『今はただ話を聞いてほしい』と伝えるのも手」とアドバイスする。



