6月にデビュー3周年を迎え、4年目へと歩み始めたHi-Fi Un!cornが、8月19日に3rdシングル「Telescope」をリリースした。タイトル曲には「視点を変えれば、何気ない日常の中にも奇跡のような幸せを見つけられる」というメッセージが込められている。新曲で挑んだ新たな表現、日本と韓国の音楽シーンへの思い、そして3年間をともに過ごしてきたメンバー同士の変化――。「Hi-Fi Un!cornらしい色」を模索する5人に、新作と4年目への思いを聞いた。
「Telescope」に込めたメッセージと挑戦
新曲「Telescope」について、キム・ヒョンユル(Gt)は「望遠鏡(Telescope)を通して空を見上げると、視点が変わるじゃないですか。視点を変えれば、日常の中にもいろいろな景色があると新たに気づくことになる。人との出会いも同じで、自分の新しい一面を見つけることがある。だから、この広い宇宙で君に出会えたのは偶然であり、奇跡だということを歌っています」と説明する。
ソン・ギユン(Ba)は「親しみやすくてライブ感があって、自然に体が動いてしまいました。一緒に歌えるようなメロディもすごく良かったし、楽器のフレーズがカッコいいので『早くライブで見せたいな』と思いました」と語る。
一方で、レコーディングでは難しさもあったという。ホ・ミン(Dr)は「ドラムでこんなに速いリズムが初めてだったので、難しかったです。特にバースのドラムのリズムは、ハイハットのパターンが速くて、そこにアクセントも入れなければいけなくて。テンポに合わせるのが大変で、汗だくでレコーディングしました」と振り返る。キム・ヒョンユルは「ギターは、ソロパートが難しかったですね。フレーズ自体は難しくないけれど、感情表現が難しかった。そのために、何度もギターを取り替えて録り直しました。でも今回、新しい発見があったんです。僕はリズムやピッチを正確に弾くのが好きだったけれど、この曲は正確に弾くことよりも、少しリズムがずれていたり、音程が少し低めだったり、ラフに弾く方が良かった。やったことがなかったから、挑戦でした」と明かす。
ソン・ギユンは「ベースは最初、ポップな感じだから指でピッキングしていたのですが、レコーディングが終わって何度も聴いていたら、コーラスの部分にロックな感じもあると気づいて、指ではなくピックでピッキングして録り直しました。この早弾きのフレーズは指使いがかなり難しくて、何度も練習しました」と語る。
ボーカルの福嶌崇人(Vo)は「難しかったです。初めて聴いた時は『わっ、なんだ!』と思いました(笑)。最初は4拍子でテンポを取っていたら、レコーディングで『倍の拍子で』と言われて、あたふたしました。とにかくタイミングを取るのが難しくて、拍子に合わせて音をどこに当てていくかをテミンくんと一緒に考えたのを覚えています。でも、僕が一番苦戦したのは、英語です。苦手なんですよ(笑)。英語は、留学経験のあるテミンくんに教えてもらいながらレコーディングしました」と話す。
オム・テミン(Vo)は「シュウトの英語、最初はひどかった(笑)。でも、すごく良くなりましたよ」と笑い、福嶌は「カタカナ英語だったからね」と続ける。オム・テミンは「最初は、日本語の曲だからカタカナ英語でいいと思ったのですが、何度も聴いていたら、やっぱりちゃんとした英語の方がおしゃれだと思って、一緒に直しました」と明かす。
さらに福嶌は「英語といえば、歌詞に出てくる『UFO』は『ユーフォー』というのが正しいと思っていたのに、違ってた(笑)。『ユーエフオー』と言うのを22年生きていて初めて知りました」とエピソードを披露。ソン・ギユンは「韓国では『ユーフォー』とは言いません。『ユーフォーキャッチャー』も伝わりません」と補足した。
オム・テミンは「僕はシュウトと逆で、日本語をシュウトに教えてもらいました。歌うときに心がけたのは、どうすればもっと自然に聞こえるかということ。それで、サビは息を多めに入れて歌いました。初めて挑戦したのは、リラックスした感じの歌い方。今まで力強く歌うことが多かったので」と語る。福嶌は「僕の新体験は、2番で雰囲気ががらっと変わるところ。楽器の音をしっかり聴きながらグルーヴに乗せて歌いました」と話した。
配信ジャケットはお台場の夜景がモチーフ
配信ジャケットのイラストを描いたキム・ヒョンユルは、「都会の夜景を描きました。夜景は星空のようにキラキラ光って美しいけれど、その一つひとつの光の先には、建物の中で遅くまで働いていたり、起きていたりする人たちがいるんですよね。電気を点けている人は、自分たちがこんなに美しく輝いていることに気づいていないんだろうな…と思ったんです。それって、『Telescope』の視線を変えてみると、日常も奇跡になるというテーマと同じ。一つひとつの光が集まって、奇跡みたいな形を作る…、というのをそのまま描いてみました」と説明。「モチーフはお台場夜景です。何を描こうか悩んでいた時に、ミンと一緒にお台場に行ったんです。そこで夜景を見て、『これだ!』と思いました」と明かす。
カップリング「UNHERO」と「Sunflower」
カップリングの「UNHERO」について、オム・テミンは「僕らが作詞に参加しました。小さい頃はヒーローに憧れて、ヒーローになるために努力をする。現実的にはヒーローにはなれないけれど、努力をしなければ、ヒーローになれる可能性は0%。目標に向かって努力するって、『ヒーローに変身する途中=変身中』だと思ったので、この歌詞が出来上がりました。3曲の中では、一番ハードな曲。オーディエンスと一緒に歌うところから始まって、途中にも一緒に叫べるところがあるので、ライブが一番楽しみな曲です」と語る。
テーマの誕生について、ソン・ギユンは「歌詞を作ろうとなった時、テミンが『アンチヒーロー』というキーワードを出してきたんです」と振り返る。オム・テミンは「『アンチヒーロー』というのは英語にはない表現だし、アンチはあまり良い意味ではないので、『アンヒーロー(UNHERO)』の方が合うんじゃないかと、みんなと話しながら変えました。CNBLUEのヨンファさんを筆頭に、事務所の先輩たちって、僕らから見ると完璧なヒーローなんですよ。それと比べると、僕ら『まだヒーローになれない=アンヒーロー(UNHERO)』だなって」と説明する。
キム・ヒョンユルは「それで一人ずつ『これのせいでヒーローになれない』という自分のウィークポイントを挙げたんです。何かは、言えないけれど(笑)。でも、『ヒーローじゃないけれど、僕たちは音楽をする時だけは君を救えるヒーローになれる。だから僕たちは音楽をやるんだ』という結論に至って、『今はまだ変身中』というテーマに辿りつきました」と明かす。
もう1曲の「Sunflower」について、ソン・ギユンは「可愛くて、温かさと安心感がある曲です。サウンドも、優しく包み込む感じ。歌詞も『特別な出来事よりも、大切な人と過ごす何気ない毎日を大事にする』ということがテーマになっています」と紹介。福嶌は「2番で雰囲気が変わるんです。なんと、ラップパートがあるんです! テミンくんから受け取って僕が続けるのですが、難しかった〜。歌詞もサビで韻を踏むのですが、日本語ならではの言葉遊びもすごく面白い曲です」と語る。
オム・テミンは「雰囲気が変わるところ、最初は戸惑いました。こういう曲を聴いたことがなかったので不思議な感じで。でも聴けば聴くほど好きになって、『これがHi-Fi Un!cornらしい色になったらいいな』と思いました」と期待を寄せる。
日本の音楽シーンへの思いと夏のツアー
夏の思い出について、ソン・ギユンは「『2024 神宮外苑花火大会』のステージに立ったことが忘れられない。花火がキレイだったのはもちろんだけれど、あんなにたくさんの人の前で演奏したのが初めてだったので、嬉しかったです」と振り返る。キム・ヒョンユルは「去年の夏。みんなで『VIVA LA ROCK 2025』を見に行ったことかな。楽しかったし、勉強になった」と語る。
特にMCの重要性を感じたといい、「話が次の曲につながっていると、曲に集中できるし、引き込まれる感じがあった。カッコよかったのが、KANA-BOONさん。風邪でノドの調子が悪かったのだけれど、『こういう状態だから、みんなも一緒に歌って!』とファンにお願いをして、最後に『今日は助けてくれてありがとう。いつか僕らも、君たちが助けを必要とする時は助けるから』と言ったんです。そのMCがあったからこそ、風邪の声が『今日は調子悪かったね』で終わらず、感動的に伝わった。MCは大事だなと改めて思いました」と話す。
今年の夏は、日本での初野外フェス出演が「LuckyFes」で実現する(取材は「LuckyFes」前に実施)。福嶌は「デビューのときからずっと『夏にやりたい』と言っていた」と喜びを語り、ソン・ギユンは「暑い野外だから、見ていて涼しいと思える、スカッとするライブをやりたいな」と意気込む。
日本の音楽シーンについて、キム・ヒョンユルは「K-POPは、中毒性のある大衆的なフレーズが特徴だけれど、日本の音楽はもっとパーソナルな世界観、自分が話したいことを歌にするし、それを求めるファンが多い気がします。共感が大事なのかな」と分析。オム・テミンは「日本は音楽の幅が広くて、いろいろなジャンルを認めてくれるファンが多い。韓国も最近バンドブームでバンドが増えているけれど、日本はバンド文化が根付いているし、僕らみたいな駆け出しのバンドでも、成長を見守ってくれる音楽ファンが多い。それが魅力なんだと思います」と語る。
9月には『Hi-Fi Un!corn 2026 LIVE HOUSE TOUR II-TELESCOPE-』が控える。オム・テミンは「今回は、大阪、名古屋、東京でのCLUB QUATTROツアー。僕らが初めて日本でライブをしたライブハウスなので、大きな意味があると思います。4年目に入った僕らが、初ライブの時とは全然違うパワーアップした姿を同じ場所で見せるというのが、大きなテーマです」と話す。福嶌は「ニューシングル『Telescope』の新曲3曲の反応が気になるな。新曲でみんなとどう盛り上がるかも見どころになると思います」と期待を寄せる。
3周年を経て深まった関係性と4年目の目標
メンバーそれぞれが日常で感じる「奇跡」について、ソン・ギユンは「最近、新しい楽器を買ったんです。『買おう!』と思って行ったわけではなくて、なんとなく楽器屋さんに行って試してみたら、自分にぴったりで。運命の出会いを感じて、即決で購入。奇跡みたいでした」と語る。キム・ヒョンユルは「僕が今持っているストラトキャスターも、運命のギターなんです。見た目にすごくこだわって探し出したものなのですが、それが作られたのがなんと、6月26日。僕らのデビュー日と同じなんです! それも運命ですよね」と明かす。
オム・テミンは「香港で『バスキング(路上ライブ)』をやった時かな。『FIRST MOVEツアー』の時なのですが、その日は空港に着いた時から大雨で、『できないかも』と言われていたんです。でも、会場に着いたら晴れたんです! それで、無事にバスキングをすることができました。しかも、ライブが終わったら雷雨に! 本当にラッキーでした」と振り返る。ホ・ミンは「フェスでも僕らが出ると、雨が止んだり、虹が出たりするんですよ。僕の奇跡は…、これから来ると思います(笑)」と笑う。
3年間での関係性の変化について、ソン・ギユンは「プライベートでは…、変わらないかな。仕事では、ライブ中の関係性が変わりましたね。以前はテミンとシュウト、ボーカル2人がMCを担っていたけれど、今はメンバーそれぞれが何を話すか、何をするのかをすごく気にかけるようになった」と語る。キム・ヒョンユルは「プライベートだと、最近はシュウトが実質的な末っ子になっています(笑)。末っ子のミンがお兄さん化してる」と笑う。福嶌は「こんなはずじゃなかった(笑)。ミンくんは最近、僕が何を言っても『フ〜ン』みたいな感じで反応が薄いんですよ」とこぼす。
ホ・ミンは「そうですか? 自覚ないです(笑)」と応じ、福嶌は「僕はMBTIがF型なので、気にしいなんです」と説明。ホ・ミンは「僕はT型だから、ぜんぜん気にならない」と返す。キム・ヒョンユルが「ミンはまだ、思春期だからね」と言えば、ホ・ミンは「違います!」と否定。オム・テミンが「もっと優しくしてね」と促すと、ホ・ミンは「僕、優しいですよ。ね、シュウト兄さん」と話しかけ、福嶌は「うん。荷物、たまに持ってくれる」と応じる。ホ・ミンが「それだけ? もっとあるでしょ!」と返すと、福嶌は「いつもこんな感じです(笑)。僕らに年功序列はないし、最近は何でも言い合える。だから僕が末っ子だとしても、問題ありません」と語る。
4年目に向けた目標について、キム・ヒョンユルは「グループとしては『Hi-Fi Un!cornはこういうバンドだ』と一言で表現できる何かがほしい。最近はそこに集中して、パフォーマンスしています」と話す。福嶌は「『Hi-Fi Un!cornらしい』と思ってもらえるような色を見つけていきたいです。それから、たくさんのライブに出て、たくさんの武器を増やして、日本の音楽シーンはもちろん、アジアを含め、より多くの人にHi-Fi Un!cornの音楽を届けることができたらいいな」と展望を語った。



