JR高崎駅から市街地を北西に向かい、昭和の雰囲気が漂うアーケード街・高崎中央銀座商店街を進むと、路地を入ったところに古びた4階建てのビルがある。1913年(大正2年)、高崎市初の常設映画館として開業した「高崎電気館」だ。「映画の街」として知られる市の原点で、現役の映画館として今も市民を楽しませている。
館内に残る昭和の映画館の面影
ガラスで囲われたチケット売り場の横を抜け、階段を上って2階ロビーに出ると、天井に届きそうな高さのフィルム映写機が迎えてくれる。1954年の製造で、2001年頃までここで使われていたものだ。近くの棚には「男はつらいよ」など、懐かしの松竹映画のビデオパッケージを展示。256人収容の客席には、年季の入った赤い椅子が並ぶ。
焼失と再建を経て再出発
開業した頃はまだ無声映画の時代。スクリーン横で行われる弁士の話芸と楽団員の演奏が人気で、連日立ち見客が出るほど繁盛したという。しかし、当時の映画館は可燃性の高いフィルムを使うなど火の気が絶えず、電気館は1929年に焼失した。2度の建て替えを経て1966年に現在の建物になったが、ラジオやテレビの普及とともに客足は遠のき、経営者の男性の病気に伴い2001年に休館した。
再出発は13年後、亡くなった経営者の妻が市にビルの寄贈を申し出たのがきっかけだ。市の所有となった後、近くにある別の映画館に運営を委託。上映を再開し、1階の集会室は文化活動拠点として無料開放した。音楽ライブ用の音響設備を持ち込んだ「爆音映画祭」、香港やインド映画特集など様々な企画も行われるようになった。
支配人が語る映画館の魅力
普段は往年の名画をフィルムなどで上映することが多く、地元にちなんだ新作を紹介することもある。支配人の飯塚元伸さん(48)は「昔ながらの映画館の魅力を楽しんでほしい」と話している。
住所は群馬県高崎市柳川町31。JR高崎駅から徒歩約15分。施設は年中無休(12月29日~1月3日は休館)。営業時間は午前10時~午後7時。上映スケジュールはホームページで確認できる。問い合わせは027・395・0483。



