夕方になると、入口にのれんが掲げられ、ピンク色のネオンが灯る。プロントが2021年4月に開始したネオ大衆酒場「キッサカバ」は、それまでのイメージを一変させる大胆な転換だった。コロナ禍で約80店を閉店し、赤字が23億円近くに膨れ上がったプロントコーポレーションにとって、キッサカバは起死回生の一手だった。
売上高は計画を上回る約274億円
同社の2025年の売上高は、計画より大幅に上振れして約274億円で着地した。過去最高を記録した2019年の約281億円まで、あと一歩というところだ。
売上高の約3分の2を占めるプロントは、180店中134店をキッサカバとして、残りの46店を従来のカフェ&バー中心に営業している(2026年7月末時点)。2025年12月には、1号店をフルリニューアルした新業態「PRONTO THE FIRST(プロント ザ ファースト)」も誕生した。
創業から貫く「二面性」
今でこそ「昼はカフェ・夜は酒場」というプロントのイメージが定着しつつあるが、実は創業時から「二毛作」が続いていることは、案外知られていない。
1988年、サントリーホールディングスとUCCホールディングスの合弁会社として、プロントコーポレーションは誕生した。同年に1号店を銀座に開業し、昼はセルフサービスのカフェ、夜は店員がサーブするフルサービスのバーに切り替わる「昼夜別業態」で店舗数を増やしてきた(一部店舗を除く)。
杉山和弘社長は、今のプロントをどう見ているのか。この数年を振り返り、キッサカバでの一番の収穫や、今後の展望について語った。



