星野リゾートが展開する「星のや京都」(京都市)は9月1日~12月10日、平安貴族が愛した秋の名所・嵐山で、日本の美意識を再発見する5つの催しを開催する。
奥嵐山で体感する千年の秋
同施設は、嵐山の名所である渡月橋から専用の船で大堰川を約15分遡った静寂な渓谷に位置する。嵐山は平安貴族が別荘を構え、秋には虫の音に耳を傾け、紅葉を愛でながら詩歌を詠み、自然の移ろいの中に美を見出した場所だ。
周辺は渓谷の斜面が急なため、秋には赤や黄に色づいた一本一本の紅葉が際立ち、錦の絹織物のような風景が広がる。喧騒から離れた奥嵐山の静寂の中で、千年前と変わらぬ秋の趣を体感できるよう、初秋から晩秋までの「特等席」を楽しむ5つの催しが企画された。
虫の音と月明かりを愛でる催し
「秋宵の虫聞き」は、夕暮れに染まる「奥の庭」で虫の音に耳を傾けながらひやおろしを楽しむ催し。古来、日本人は秋の夕暮れに響く虫の声を風流なものとして愛でてきた。『源氏物語』にも、平安貴族が鈴虫の声に誘われ酒宴を催す情景が描かれている。ヒグラシからマツムシやコオロギへと変わる音色で秋の訪れを感じる。開催期間は9月1日~9月30日。
「水辺の観月」は、空中茶室でオリジナルの「月見カクテル」を提供する催し。リンドウの根を原料とする黄金色の薬草酒を注ぐことで、夜空を表現したベースの中に満月が浮かび上がる特製ドリンクだ。平安貴族は月の名所だった嵐山で、池や盃の水面に映る月を楽しんでいた。眼下の大堰川のせせらぎを聞きながら、手元のグラスに現れる月を眺める。実施期間は9月25日~10月31日。
和歌と雅楽、紅葉を楽しむ催し
「錦秋の歌なぞり」は、紅葉の名所・小倉山が朝日に染まる瞬間を楽しみながら、目の前に広がる情景と重なる名歌を書き写す催し。藤原定家が『小倉百人一首』を編纂したこの地は古くから和歌と深いゆかりがある。山肌に緑が残る時期には風の音に秋の訪れを悟る一首を、紅葉のピークには散りゆく美しさを惜しむ一首を、冬が近づく頃には川面を彩る散り紅葉を詠んだ一首を、嵐峡の景色を前に筆先から辿る。実施期間は11月1日~11月30日。
「錦の宴アペロ」は、樹齢400年のオオモミジの下で雅楽の演奏とともにアペリティフを味わう催し。小倉山を借景にした「奥の庭」で、貴族が興じた宴の情景を現代に再現する。三管が響く日もあれば、琵琶や楽箏が奏でる日もあり、訪れるたびに異なる趣に出会える。演奏後は、目の前の情景や心の機微を雅楽の音にのせて詠み上げる。実施期間は11月1日~12月10日。
「落葉の彩合わせ」は、多種多様なモミジが自生する庭園を巡り、今の心に響く一葉を見つける体験。鮮やかな朱色や陽光に透け輝く黄金色、水に濡れて深みを増した濃紅など、その表情は一刻一刻と変化する。散策後は、見つけた一葉と呼応する京唐紙のポストカードに滞在の記憶を綴る。実施期間は11月15日~12月10日。



