いじめ乗り越え歌手デビュー 江津出身・柊侑香さん「歌は生きる力」
いじめ乗り越え歌手デビュー 江津出身・柊侑香さん

「歌は生きる力になる」。そう信じてマイクを握るのは、江津市出身のソロシンガー柊侑香さん(24)。出身地の江津市や浜田市の介護施設や催事場を回り、大阪市や熊本県でも歌ってきた。「歌うのが楽しい。聞いてもらうと勇気が得られる。最高の瞬間、時間です」と目を輝かせた。

笑顔の裏にあるつらい過去

笑顔の裏にはつらい過去がある。保育園から高校までいじめを受け、自殺も考えた。高校卒業後に就職したが、職場でパワーハラスメントに苦しんだ。

思い詰めた時に救ってくれたのは歌だった。小学生の頃に島倉千代子さんの「人生いろいろ」を聞いた。死のうと悩んだが人生には希望もある、との歌詞に「共感した。救われた」と語る。

歌手への一念発起とデビュー

歌手になりたいと一念発起し、2024年に音楽マネジメント会社のオーディションを受けて合格。歌のトレーニングだけでなく、歌詞作りにも加わり、25年に「wonderful day」で念願の歌手デビューを果たした。「自分らしく生きてみよう 楽しい日もそうじゃない日も 君だけの時間だから」という歌詞は、寄り添う気持ちを表現している。

2曲目の「地平線」は、1曲目へのアンサーソングで、背中を押す心情を歌詞に込めた。「迷っては また歩き出せる 何度も 弱さの数だけ少し優しくなれた気がした」

地元でのライブと今後の夢

8月、道の駅「サンピコごうつ」(江津市)の隣にある複合施設「なぎの木テラス」でライブを開いた。昭和歌謡から令和のヒット曲まで、自身の曲を含む計約20曲を披露すると、ドライブで立ち寄った家族連れから手拍子が送られた。ライブ中、「熊本地震で避難している友人がいる。当たり前の生活ができない。千葉でも大雨が降った。復興に頑張ってほしい。私にできることは歌を届けることだ」と力強く語った。

ライブ開催は、浜田市で開かれた異業種交流会で知り合った人に声をかけてもらったのがきっかけだった。人の輪のすばらしさを感じている。

かつていじめられたこともあったが、今では歌手として活動できるようになった。自分の歌が、つらい目に遭っている若者や大人の励ましになればと願う。「人生、何が起きるかわからない。いつか大きなホールでしっかり歌えるようになりたい」