正倉院宝物「曝布彩絵半臂」の文様再現、彩色に着目した新たな模造を発表
正倉院宝物「曝布彩絵半臂」文様再現 彩色に着目

宮内庁正倉院事務所(奈良市)は14日、2021年の正倉院展に出展された宝物で、丈の短い衣服「曝布彩絵半臂(ばくふさいえのはんぴ)」に描かれた文様の再現模造を制作したと発表した。宝物全体を復元する従来の模造とは異なり、図柄や彩色に着目して復元した新たな試みとなる。

曝布彩絵半臂とは

曝布彩絵半臂は、奈良時代に東大寺の法要などで楽人が用いたと考えられる上着。上質な麻布を用い、前面と背面に鳥や獅子、宝相華(ほうそうげ)の文様があしらわれている。正倉院に伝わる約30件の半臂で唯一、麻布に直接絵が描かれた珍しい品だが、布の損傷が激しく彩色の大半が剥落(はくらく)している。このため、宝物の要である文様に特化し、2年かけて再現した。

再現の手法と成果

再現にあたっては、顕微鏡での観察や赤外線、蛍光撮影を用いて文様の線を写し取り、わずかに残る色料の跡から配色を分析。CGデータ化して色の組み合わせの微調整を重ね、岩絵の具などを使って極彩色の文様を和紙に模写した。さらに、獅子の文様は、元の宝物に近い密度で仕立てた麻布に、宝物同様直接絵を描いて再現した。

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今後の公開予定

今後は展覧会などでの公開を検討する。同事務所の吉田卓爾・保存課調査室員は「想像以上に華やかで美しい文様を知ってもらいたい」と語った。

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