公開中の映画「キングダム 魂の決戦」(佐藤信介監督)のロケの一部が、山口県美祢市にある国内最大級のカルスト台地・秋吉台で行われた。現地は国の特別天然記念物に指定されており、制約がある中での撮影となった。準備や調整に尽力した地元関係者は、「映画を機に秋吉台で自然の美しさに触れ、保護の大切さも感じてもらいたい」と話す。
映画の世界観にぴったりのロケ地
「秋吉台は映画の世界観にぴったりだと思った」。7月下旬、撮影までの準備を担当した市観光協会職員の飯田昭太郎さん(44)が、制作側からロケ地の選定を依頼された時の心境を振り返った。
キングダムは紀元前の中国・春秋戦国時代の戦乱を描いた人気漫画で、作者は佐賀県出身の原泰久さん。7月中旬から公開されている今作品は実写化された映画の第5弾だ。秋吉台では、俳優の宍戸開さんが演じる燕の大将軍「オルド」のほか、楚や魏などの大将軍らが戦いを前に集結するシーンの撮影が行われた。
特別天然記念物での撮影の工夫
飯田さんがロケ地に関する相談を受けたのは2023年秋頃。制作側の撮りたい場面について詳しく聞き取り、市フィルムコミッションと協議しながら3か所を候補地とした。現地を見て制作側が選んだのは、秋吉台の展望台から北に40分ほど歩いた所にある周囲に人工物のない草原だった。
特別天然記念物に指定されている場所で撮影を行う際は、撮影に使う機材の個数などを細かく文化庁または自治体に申請することが文化財保護法で定められている。こうした事情もあり、近年は秋吉台で大規模な撮影が行われたことはないという。
魅力を次世代につなげたい
ロケ地に決まってからは、「保護だけではなく、活用することで秋吉台の魅力を次世代につなげたい」と、飯田さんが中心となってカメラの三脚やクレーン、仮設トイレなどの使用機材を市に申請。石灰岩を傷つけないように、楽屋代わりのテントは杭で固定せず、脚に重しを取り付ける工夫をした。



