オードリー若林正恭、初小説『青天』で直木賞候補に きょう発表へ
若林正恭、初小説で直木賞候補 きょう発表

きょう15日に選考結果が発表される「第175回直木三十五賞」で、お笑いコンビ・オードリーの若林正恭の初小説『青天』(文藝春秋)が候補に選ばれ、注目を集めている。日々テレビやラジオで言葉を操る芸人が、小説という別ジャンルで評価されることは珍しくないが、日本文学界の権威ある直木賞の候補にデビュー作で名を連ねた事実は特筆に値する。

直木賞と芥川賞の違い

若林の作品が候補となった直木賞は、広く読者に支持される大衆文学の中から優れたエンターテインメント作品に贈られる。一方、芥川賞は純文学を対象に新人作家の登竜門としての性格が強い。両賞は年に2回同時期に発表されるため混同されがちだが、求められる資質は異なる。

芥川賞は人間性や心の機微を深く追求し、芸術性や純粋な文学性の高い作品を重視する。候補作は文芸誌に掲載された作品から選ばれる。それに対し、直木賞は物語性や読者への訴求力を問い、単行本として出版された作品が対象となる。その意味で、直木賞は作品の完成度に加えて、広く読者に届く「読まれる力」も問われると言える。

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歴代受賞者と若林の快挙

直木賞の過去の受賞者には、日本のエンターテインメント小説界を牽引する作家が並ぶ。第120回(1999年上期)では宮部みゆき氏の『理由』、第134回(2005年下期)では東野圭吾氏の『容疑者Xの献身』、第145回(2011年上期)では池井戸潤氏の『下町ロケット』などが受賞。若林と親交のある朝井リョウ氏も第148回(2012年下期)に『何者』で、西加奈子氏も第152回(2014年下期)に『サラバ!』で受賞している。

さらにさかのぼると、司馬遼太郎氏や渡辺淳一氏、野坂昭如氏、伊集院静氏、浅田次郎氏など、国民的作家も受賞してきた。直木賞は単なる文学賞ではなく、その時代の読者に広く届いた物語として後世に語り継がれることもある。

過去にはNEWSの加藤シゲアキやSEKAI NO OWARIのSaori(藤崎彩織)など、芸能人が候補に名を連ねた例はあるが、それらは長年にわたり文章表現の世界で実績を積み重ねた後の到達点だった。若林のように初小説で候補入りするケースは快挙と言える。

若林の表現力と受賞への期待

若林は、キューバへの旅行体験をまとめた紀行『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』で、独自の視点や内面を赤裸々に綴ったリアルな描写が高く評価され、第3回斎藤茂太賞(2018年)を受賞した。その卓越した表現力は『青天』でも発揮されており、初候補で栄冠を手にするのか期待が高まる。発表はきょう15日夕方ごろの予定。

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