カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルで注目を集めたセガの「ファンダム戦略」。その核心を、セガの内海氏とソニックシリーズの生みの親である飯塚氏、そしてモデレーターの本田氏が語った。
炎上から生まれた真のコラボレーション
最初の映画『ソニック』の予告編が公開されたとき、ソニックのデザインに対する批判が殺到し、当時のパラマウント作品の中で最も低評価がついた予告編となった。飯塚氏もそのデザインを承認していなかったという。この反響を受け、パラマウントはキャラクターデザインを変更し、公開日を延期する決断を下した。それ以来、パラマウントは飯塚氏に相談するようになり、両社の真のコラボレーションが生まれた。
ファンの声が変えた映画の成功
映画は大ヒットし、鍵となったのは人間とソニックの友情の物語だった。セガはこれまでそのようなストーリーを考案したことがなく、映画制作チームの創造性によるものだという。第1作、第2作とヒットを記録し、その間にトランスメディア戦略を開始。ライセンス事業やファンとのクリエイティブな活動を積極的に展開した。
飯塚氏は、映画のチームとソニックのデザインについて多くの時間をかけて話し合ったと振り返る。ゲームのデザインを維持したい飯塚氏と、現実世界に存在するようなデザインを目指す映画チームとの間で調整が難航したが、最初の映画公開後に双方が理解を深め、同じ目標を共有できるようになった。
ファンダムの力とトランスメディア戦略
内海氏は、人々が情報を得る方法が変わり、公式発表やCMよりも信頼する人のおすすめを信じるようになったと指摘。デザイン変更前後にファンの議論を後押しし、ファンダムの動向に耳を傾ける環境を整えたことが重要だと語った。
現在、セガはトランスメディア戦略の一環としてソニックを展開している。内海氏は、従来の「コンシューマ・プロダクト」という言葉よりも「トランスメディア」という言葉を好んで使う。コンソール事業に加え、レゴやRobloxなどと協業し、Robloxの巨大オーディエンスやミュージシャンの知見を活用したイベントを計画している。これにより、ユーザーとのつながりを構築し、ブランド支援と収益創出を両立できるという。
内海氏は、トランスメディア戦略では相性が重要であり、うまく機能しなければIPを消費するだけになると警告。より健全なIP体験を推進するため、パートナーシップが鍵だと述べた。



