「でも、甘糟さんはその必要はないとお考えなんですね?」
「そんなことはないよ。係長の言うとおりにするしかないんだから。ただ……」
甘糟の懸念
「ただ、何です?」
甘糟はためらっている様子だ。
「証拠もないのに、ずっと三橋の身柄を押さえているだろう。さすがに、ヤバいと思って……」
内緒の告白
「ほう……」
「あっ。俺がこんなことを言ったって、仙川係長にはないしょだからね」
「わかっています」
「本当にわかってんのかなあ……」
甘糟はぶつぶつ言いながら、事務所を出ていった。
「あの……」
稔が言った。日村は尋ねた。
「何だ?」



