第73回よさこい祭りが9日の前夜祭で開幕する。県内外から踊り子たちが高知市に集まり、祭りのムードが高まっている。10、11日の本番に初出場するチームも、大舞台での演舞を前に気持ちを引き締めている。
宗田節の産地に活気を
土佐清水市中浜にある宗田節製造・販売会社「ヤマア」は、低迷する産地を盛り上げようと初舞台に臨む。曲のイントロには入札会の競りの様子を再現し、「はいどうぞ、はいどうぞ」のかけ声から始まる威勢のいい演舞が持ち味だ。
同市は全国シェア約7割を誇る宗田節の産地だが、原料のソウダガツオの不漁や高齢化などで加工業者が減り、毎年4月に行われていた入札会も、5年ぶりだった2018年が最後になっている。
同社の倉松三昇社長(55)が5年前から準備を進め、スタッフがそろった今年、満を持しての出場を決めた。4月には2028年のNHK大河ドラマ「ジョン万」の放映が決まり、倉松社長は「清水が勢いづく絶好のチャンス」と力を込める。
踊り子は常連チームに引けを取らない130人で構成。20~60歳代が中心で5月から週3回の練習を重ねてきた。振り付けは過去に数々のチームを入賞に導いた振付師の工藤理恵さん(62)が「宗田節というストーリー性を生かして豪快に楽しく踊れるように」と、産地の繁栄を願う鶴が舞うポーズなどを取り入れた。
本番では、初出場組などによる抽選でメイン会場となる追手筋本部競演場での演舞枠から外れた。「絶対入賞して全国大会(12日)で追手筋を踊る」と誓う。
10年以上前から別チームで踊ってきた黒潮町の会社員山本紗矢さん(32)は「お客さんを笑顔にしてモチベーションを上げてくれるよさこいはなくてはならない存在。新しい自分に出会いたい」と張り切っている。
タイの文化を広めたい
高知市内でタイ料理店を営む池田智佐子さん(55)は、屋号と同じ「BaanPuan(バーンプアン)」というチームを作り、晴れ舞台に向けて振り付けを何度も確認。本番では優美な民族衣装をまとい、他チームとは違ったスタイルで観客を引き込む。
池田さんは40回以上、バンコクなどに足を運ぶほどタイ好き。現地で料理を学び、現在はレパートリーが数百種類に。訪れる度に寺院や仏像、海、島々などの歴史と自然が調和した独特の景色にも魅了された。13年前に店を開いて魅力を発信するが、もっと関心を高めようと、よさこい祭りでアピールすることを決めた。
踊り子は大半が店の客で5~64歳の50人。胸の前で両手を合わせる「ワイ」と呼ばれるタイの伝統的なあいさつを踊りに取り込み、地方車にはタイの景色などがデザインされる。タイ国政府観光庁の後援や、タイの大手ビール会社の協賛も取り付けた。
池田さんは「タイ人は気質が高知に似ていて、がい(荒っぽい)やけど優しい。女性はバリバリ働き高知に通じるものがある。もっと身近に感じ、国際化が進む高知空港から、タイへの直行便が実現すればうれしいな」と夢を膨らませる。



