兵庫県立芸術文化センター(西宮市)の芸術監督、佐渡裕さん(65)によるプロデュースオペラが、17日に開幕する。今年の演目はビゼー作曲の「カルメン」。国際的に活躍する歌手陣に加え、兵庫県出身のソリストや地元選抜の合唱団が共演し、注目を集めている。
県出身ソリストが活躍
神戸市出身のテノール、水口健次さん(47)は、密輸団の一味の役で出演するほか、主役の代役も務める。水口さんは大阪音楽大で学び、2008年から合唱団の一員として参加。「外国語の発音から口の開け方までソリストに細かい指導が徹底され、これが世界の一流がやっていることか…と衝撃を受ける」と舞台裏を語る。また、「細部までこだわりを持って作られた舞台。立てるのは幸せなこと」と喜びを述べた。
尼崎市在住のソプラノ、梨谷桃子さん(35)は、カルメンの友人役で出演。プロデュースオペラの特徴を「サポート万全で、家族のような温かい雰囲気」とし、「憧れの舞台。より高みを目指したい」と意気込む。
選抜合唱団の高い実力
合唱団は関西の歌手を中心に構成され、今年は59人が出演。約3割が県内在住で、いずれもプロのオペラ団体などに所属するソリスト級の歌い手ばかりを選抜。本場欧州の歌劇場にも負けない演技力が高評価を得ている。
合唱指揮者の矢澤定明さん(61)は、2005年の開始時から合唱の指導を務め、その成果が認められ今年の県功労者に選ばれた。「歌いたくて仕方がないという熱いメンバーが集まっており、長年の積み重ねもあって、レベルも上がってきた」と振り返る。
合唱団からは水口さんら役名のあるソリストとして起用される人材も次々輩出。通常のオペラで使われる稽古の倍以上の時間をかけ、発音や演技など専門家による入念な指導が育成の背景にある。佐渡さんは「関西(出身)だからといってソリストに起用しているのではない。育ってきた結果」と、20年の歩みと成果を喜ぶ。
舞台芸術の裾野拡大にも貢献
プロデュースオペラは舞台芸術の裾野を広げることにも貢献。子どもの合唱団で参加した歌手がオペラを主宰したり、劇団四季などで活躍したりしている。2012年の「トスカ」に子役で出演した佐野晶哉さん(24)はアイドルグループ「Aぇ! group」に所属し、音楽劇などの舞台に立つ。
今年は公募で選ばれた市民のアマチュア合唱団20人のほか、地元の児童合唱団の20人も出演する。公演は26日まで。チケットは完売している。



