祇園祭・前祭の山鉾巡行(17日)が目前に迫り、宵山期間が始まった14日には、祭りに関連した様々な行事が行われ、熱気が高まっている。
神泉苑で神仏合同の水交換式
祇園祭発祥の地とされる神泉苑(京都市中京区)では、八坂神社(同市東山区)と境内の水を交換して疫病退散を願う「神仏合同青龍神水交換式」が営まれた。神泉苑は祇園祭の始まりとされる「祇園御霊会」が行われたと伝わる場所で、境内の池が八坂神社の本殿下の池「龍穴」と水脈でつながっているとの伝承から、2022年にこの行事が始まった。
おはらいや読経の後、神泉苑の鳥越英徳住職が境内にある井戸「閼伽井」の水を、八坂神社の野村明義宮司が神社の井戸の「神水」を、互いに手渡して交換した。鳥越住職は「神道の力と仏教の力で病気がなくなるようおつとめできるのは喜ばしいことだ」とあいさつ。野村宮司は「今年で5年目となる節目。次につなげられるような行事にしたい」と話していた。
修学院離宮で山鉾の杉戸絵を初公開
宮内庁京都事務所は14日、修学院離宮(同市左京区)の客殿の杉戸に描かれた祇園祭の山鉾の絵を報道陣に初公開した。杉戸には、岩戸山、放下鉾、船鉾の三つの山鉾が描かれており、それぞれの意匠のほか、天照大神や放下僧、神功皇后といったご神体や、真松、囃子方なども精細に表現されている。岩戸山と放下鉾は客殿の南側に1面ずつ、船鉾はその裏の北側に2面を使って描かれている。
客殿は元々1677年に仙洞御所に造営され、後水尾天皇の皇后・東福門院が奥対面所として使用していたが、82年に現地に移築された。杉戸絵も客殿の造営とともに制作され、作者は狩野敦信とする説がある。この杉戸絵の原本は保護のため収蔵施設で保存しており、現在は1961年に模写された杉戸が客殿に設置されている。岩戸山と放下鉾の杉戸は、参観で建物の外から見ることができる。参観は申し込みが必要で無料、詳細はホームページへ。
環境配慮のうちわ配布で涼を提供
祇園祭を盛り上げようと、読売アルスR京都支社(同市中京区)は14日、京都市下京区の四条烏丸交差点でうちわを通行人に配った。うちわは京都市立芸術大の学生が描いた山鉾がデザインされ、骨には府内産の廃棄米を混ぜたバイオマスプラスチックを使用し、宇治川のヨシを配合した紙を使うなど環境にも配慮した。気温が30度を超える中、受け取った観光客らは、早速うちわであおぎながら山鉾を見て回っていた。約4万2000本が用意され、15、16日も午前10時から配布する。



