京都・祇園祭で厄よけなどとして授与される伝統の「ちまき」が、作り手不足や市民の生活様式の変化に対応するため、各山鉾保存会の知恵により新たな形で継承されている。ミニサイズ化や1本売りなど、現代に合わせた工夫が相次いでいる。
岩戸山、15センチのミニちまきを復活
京都市下京区の岩戸山保存会は、通常の半分以下の長さ約15センチの「ミニちまき」(1000円)を3本1束で用意した。同保存会は1982年から2018年まで同様のミニちまきを授与していたが、材料の仕入れが困難になり中断。昨年秋、保存会の運営を担うボランティア団体「岩戸山ソーシャル寄町」のメンバーらがイベントで小ぶりのちまき作り体験を実施したところ好評を博し、復活に踏み切った。
今年は300個ほどを準備。田中弘泰代表理事は「岩戸山オリジナルのサイズ。吸盤が付いているので、玄関扉や自動車など自由に飾ってもらいたい」と話す。
霰天神山、1本ちまきを継続
京都市中京区の霰天神山は、昨年に続き「1本ちまき」を授与する。近年の物価高や材料不足、担い手の減少により、従来の10本1束のちまきを十分な数準備するのが難しくなったことから生まれた。1本ちまきは御朱印とセットで800円、通常の10本ちまきはお札とお守りとのセットで1500円とし、選択肢が広がることもメリットと判断。昨年初めて授与したところ「小ぶりでかわいい」と好評で、今年も1000本限定で提供する。
保存会の中尾和生代表理事は「昨年、1本ちまきの注目度は想像以上に高かった。御利益は変わらず、ぜひ一度実物を見てみてもらいたい」と語る。
函谷鉾、ちまきチャームを新作
京都市下京区の函谷鉾は、今年の新作として「ちまきチャーム」(1500円)を加えた。ちまきの形を模し、肌触りにこだわったという。カバンにつけるなど普段使いを想定。広報担当者は「若い世代にもちまきの文化を身近に感じ、親しみを持ってもらいたい」と狙いを説明する。
保昌山、限定ちまきセットを初授与
京都市下京区の保昌山では、今年初めて「限定ちまきセット」(2000円)の授与を始める。限定品のみ、ちまきのほか黒色の「えんむすび御守」と「お札シール」を合わせ、300セット準備する。
各保存会のこうした取り組みは、伝統文化を守りながら現代のニーズに合わせる試みとして注目される。



