28日公開の映画「平行と垂直」で、自閉スペクトラム症(ASD)の兄を演じる安田章大さん(41)と、カウンセラーの妹役を務めるのんさん(33)が、作品への思いを語った。
役作りへの取り組み
安田さんが演じる兄・日向大貴は、物事を「平行と垂直」にそろえることに強いこだわりを持つ。感情や意思は言葉ではなく、表情や体の動きで表現する難しい役だ。
安田さんは撮影前にASDの人々が集まる施設を訪れ、「全員が全員、症状が全然違う」と実感。その上で「誰かのまねじゃない。大貴だったらこうなるだろう」と想像して演じたという。
妹役ののんさん
のんさん演じる妹の希は、カウンセラーとして人の痛みに寄り添いながら兄を支える。役を理解するため、発達障害があるきょうだいを持つカウンセラー3人に話を聞いた。「私たちはASDの人と認識するけど、みんなはきょうだいとして育ってきた家族なんだ」と感じ、役作りに生かした。
作品に込めた願い
物語後半では、トラブルが続く大貴を「お荷物」と感じてしまう希だが、最後は兄妹の温かな絆が描かれる。のんさんは「2人で空気を作る感覚を大事にした」と話し、安田さんとの信頼関係がラストシーンにつながった。
2人の共通の願いは、ASDへの理解が深まること。今作のシナリオを知り、作品化に向けて奔走した安田さんは「ASD以外の障害や病気についても理解しようと心が動いてほしい。誰もが他人ではなく、当事者なのだと思います」と力を込めた。



