台湾映画「零下五十度の抑留者」監督「台湾は今戦争の近くにいる」
台湾映画「零下五十度の抑留者」監督「台湾は今戦争の近くにいる」

日本軍人として戦い、戦後はシベリアなどに抑留された台湾人の姿を追ったドキュメンタリー映画「零下五十度の抑留者」(2025年、台湾)が9月5日から、シアター・イメージフォーラム(東京都渋谷区)などで全国公開される。

旧日本兵らの証言を集める

旧日本兵だった横浜在住の呉正男さんのほか、故人の陳以文さん、許敏信さんの遺族などの証言を集めた。台湾で活動するコー・ビンスン(許明淳)監督は「戦争の傷痕を知り、自分の考えを持つことが侵略者に打ち勝つ力になる」と語る。

シベリア抑留の台湾人を題材にした理由

監督は、日本兵だった台湾人に関する研究や映画作品は多数あるが、シベリアに抑留された台湾人に関する研究や作品はほとんどないと指摘する。戦後、台湾の国民党政権は日本兵だった台湾人を「敵」とみていた。国民党は反共主義を掲げており、「シベリアではソ連の共産主義の思想教育を受けたのではないか」とも疑っていたという。

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そのため、シベリアに抑留された台湾人は口を閉ざし、家族や社会からも忘れられたり、誤解されたりしていた。監督は、シベリアに近い旧ソ連のカザフスタンに抑留された日本在住の呉正男さんが健在だと聞き、「歴史を学ぶ素材を提供する最後のチャンスだと思って制作した」と語る。

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