戦後81年。失った記憶を取り戻そうとする1人の女性を通じて、81年前の東京大空襲を描く映画「八月の杜(もり)」(岩本崇穂監督)が、22日から東京・K's cinemaなどで全国順次公開される。「先の大戦を声高に打ち出した作品ではないけど、そこがいい」。主演の烏丸せつこ(71)が、独特の〝烏丸節〟で作品を語る。
語りすぎずに伝えたい
昭和20年3月10日の東京大空襲。東京の下町は火の海と化した。主人公の中原文(ふみ)は幼い頃、この空襲で記憶を失う。両親のことも、自分の名前さえ分からないまま、戦災孤児として戦後を懸命に生きてきた。毎年、春季慰霊大法要に足を運び、断片的な記憶をたどって、自分が育った家の場所を探し続けている。
作品の魅力
映画は、記憶を失った女性の視点から、戦争の悲劇を静かに描き出す。烏丸せつこは、クラリオンガール時代と変わらぬ魅力を放ちながら、複雑な役柄を演じている。



