戦後の混乱期に「混血児」と呼ばれた女性のルーツをたどるドキュメンタリー映画「Yokosuka1953」(木川剛志監督、2021年)の特別上映会が10月4日、奈良市のホテル尾花・尾花deキネマで開かれる。主催は大淀町の一般社団法人「光明寺子屋」。理事長で同寺住職、シンガー・ソングライターの三浦明利さんは同映画について「精いっぱい生き抜いた女性たちの尊さを感じる」と話す。
米国からのSNSメッセージが発端
平成30年8月、和歌山大学教授の木川さんのもとに米国から届いたSNSのメッセージがすべての発端だった。神奈川県横須賀市で外国人と日本人女性の間に生まれ、養子として米国に渡ったバーバラ・マウントキャッスルさん(日本名は木川洋子さん)が別れた母を捜しているという内容で、娘が同じ名前を頼りに木川さんに送ったのだった。
木川さんは母捜しに協力するとともに、戦後の過酷な環境下で生きた女性や子供のことを伝えようと映画にした。光明寺では今年2月に上映。さらに鑑賞してもらうために10月に奈良市で上映会を開くことになった。
「語らずに消えていく一つだった」
木川監督は「語らずに消えていく一つが『混血児』だった。奈良にも(兵士相手の)施設があったことも知られておらず、こうしたことを含めた歴史を引き継ぐべき」と説明。三浦さんは「光が当たっていなかった所に当てられたドキュメンタリーだが、社会的な意義だけでなく、感動の物語。戦争がない世の中を願う気持ちにも自然となる」と語った。
上映は午前10時半からと午後2時半からの2回で、各定員40人。木川監督や三浦さんらによるトークも予定されている。観覧料は千円。収益の一部は映画「大佛さまと子供たち」の東大寺奉納プロジェクトに活用される。チケットは「Peatix」で購入できる。



