大英博物館の江戸絵画約200点が里帰り、東京都美術館で「百花繚乱」展開催
大英博物館の江戸絵画約200点が里帰り、東京都美術館で展開催

東京・上野の東京都美術館で「大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱~海を越えた江戸絵画」展が開催されている。英国ロンドンの大英博物館が所蔵する約4万点の日本美術コレクションから名品約200点が展示され、初めて「里帰り」した作品も多数出品されている。

約150年ぶりに再会した狩野派の襖絵

日本、英国、米国と別々に所蔵されていた狩野派による一連の襖絵が、約150年ぶりに〝再会〟を果たした。大英博物館所蔵「秋冬花鳥図襖」、青森・宮越家所蔵「春景花鳥図襖」、「名所風俗図襖(三保松原・清見寺)」、米シアトル美術館所蔵「琴棋書画仙人図襖」が一堂に会している。

これらの襖は、もともと奈良・談山神社の学頭屋敷の大広間にあったもので、約400年前、狩野永徳の実弟・宗秀の門人だった狩野宗眼重信によって描かれたとされる。明治維新初期の廃仏毀釈で各地の寺社の文化財が売却された際、一部が海外に流出していた。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

担当学芸員の山田桂子さんは「各地の研究者、収集家が交流を続け、研究成果を持ち寄ったことで、一連の作品であることを突き止めた。文化交流の積み重ねの成果といえる」と評価した。

八大絵師の浮世絵と初里帰りの名品

大英博物館の日本美術コレクションの特徴の一つは、全体の約10%を占める屛風や掛け軸、絵巻などの肉筆絵画だ。木版画や浮世絵は約1万5000点に及ぶ。今回、喜多川歌麿や東洲斎写楽、葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳といった八大絵師の浮世絵版画や、河鍋暁斎や菱川師宣らの肉筆画が多数出品されている。

2011年に新たに発見された喜多川歌麿の最晩年の肉筆画の大作「文読む遊女」(1804~06年頃)は、初めての里帰りとなる。現存する歌麿の肉筆画は世界に50点前後とされ、希少な機会だ。

初の里帰り作品の一つに円山応挙の「虎の子渡し図屛風」(1781~82年)もある。母虎が3匹の子虎を川向こうへ運ぶ様子を捉えたもので、毛並みが細やかな筆致で丁寧に描き込まれている。

世界最高峰の刷りと法隆寺金堂壁画の模本

葛飾北斎の代表作「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」(1831年頃)も展示されている。初期摺りの版のため、線や輪郭がシャープで色彩の保存状態も良く「世界最高峰の刷りの一つ」と評価されている優品だ。

大英博物館日本セクション長のロジーナ・バックランドさんが見どころとして挙げるのが、桜井香雲「法隆寺金堂壁画 九号壁 模本」(1880年)だ。元駐日英国公使のアーネスト・サトウの依頼に応じて制作されたもので、昭和24年の火災で焼損した法隆寺金堂壁画のかつての様子を伝える貴重な作品となっている。三笠宮家の彬子さまが英国留学中、大英博日本セクションで学芸ボランティアとして調査していたときに、収蔵庫から発見された。

バックランドさんは「長きにわたりロンドンで大切に保管されてきた作品を、日本の方々に鑑賞いただけるまたとない機会」と来場を呼び掛けた。会期は10月18日まで。観覧料は一般2300円。問い合わせは、ハローダイヤル(050・5541・8600)。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ