奈良県高取町壺阪の壺阪寺・仁王門に安置される金剛力士立像について、制作時期が室町時代の文明17年(1485年)にさかのぼる可能性が高いことが分かった。調査した大河内智之・奈良大教授(日本彫刻史)が18日、寺で開かれた修理完成報告会で発表した。これまでは安土・桃山時代の制作とみられてきた。
解体修理で墨書きを確認
金剛力士立像はカヤ材の寄木造で、阿形像(像高337センチ)と吽形像(同339センチ)からなる。2023~25年度に美術院国宝修理所(奈良市)が解体修理し、今年4月に寺に戻っていた。
修理の過程で、阿形像の頭部の内面に墨書きの文字が判明。制作時期が確認できたほか、「大仏師法眼春慶」「一男 春浄法師舜慶」「乗舜」の3人の名前も見つかった。
寺の秘められた歴史の解明に期待
仏師の名前が明らかになったことで、寺の秘められた歴史の解明につながるとして注目されそうだ。また、金剛力士像の内部は軽量化と効率化を狙った構造だったことも判明している。