奈良県の山奥で生まれたパズル玩具「LaQ」が、世界28カ国に広がっている。累積赤字8000万円を抱えながらも、おもちゃ屋では売れず書店で即完売するという異例の展開を遂げた。その真相に迫る。
ビールの栓抜きから生まれたLaQ
LaQは、ヨシリツ社長の吉條宏さん(当時30歳)が1973年に家業の牛乳販売業を手伝っていたころ、ひらめきから誕生した。ビール好きだった吉條さんは、「ビールの蓋を簡単に開けられる道具があったら面白い」と考え、開発に乗り出した。構想から10年、1983年に「セントル」と名付けた栓抜きを完成させ、会社を設立。社名の「ヨシリツ」は「吉野で独立する」に由来する。
セントルは最初苦戦したが、3年ほどで大手ビールメーカーの販促品として採用され、何十万個もの注文が入ることもあった。しかし販促品は受注に波があり、大量注文に備えて生産体制を整えても、注文が止まれば経営は苦しくなった。
六面嵌合のブロックへのひらめき
安定した収益を求めて模索する中、吉條さんは「サイコロのような六面嵌合のブロック」をひらめく。六面嵌合とは「6つの面がピタッとはまる」意味で、これがLaQにつながる。当初は大人向けの小物入れや置物を想定していたが、試作品は重く、理想とかけ離れていたと、経営管理部執行役員の河部勇さんは語る。
試行錯誤の末、1993年にLaQが完成。おもちゃ屋では売れなかったが、書店で販売すると即完売。累積赤字8000万円を乗り越え、現在は世界28カ国で愛される玩具に成長した。
学問への影響と今後の展望
「LaQがどのように学問に影響を与えるかの研究はまったくしていないので、因果関係が本当にあるかはわからないんですけどね。機会があれば、調べてみたいなとは思っています」と米屋さんは語る。LaQは子どもの力を養う玩具として注目され、今後の研究が期待される。



