農業成功の哲学、こんにゃく農家が語る経営の極意 澤浦彰治著『農業で成功するために本当に大切なこと』
農業成功の哲学、こんにゃく農家が語る経営の極意

土壌学者の藤井一至氏(福島国際研究教育機構上席研究員)が、澤浦彰治著『農業で成功するために本当に大切なこと』(ダイヤモンド社、1980円)を評した。群馬のカリスマこんにゃく農家が語る経営の極意は、他社のモノマネをせず、外国人労働者を含む従業員や顧客とともに身の丈に合った成長を続ける哲学であり、分野を問わず学びが多いという。

日本農業の課題と企業参入の難しさ

本書は、『おいしい日本の野菜が消える日』(久松達央著、光文社新書)にも通じる、現場を知り尽くした農家ならではの説得力があると藤井氏は評価する。企業が鳴り物入りで農業に参入しても撤退してしまう現象について、著者は1年スパンでしか試行錯誤できない農業の性質上、企業の責任者が3年任期で交代する問題点を指摘している。

農業の宿命と150年ぶりのチャンス

農業は作物を余剰生産して世の中を安定させるが、平和な時代には余剰が価格を下落させ、農家の経営を圧迫する宿命があると著者は分析する。だが、著者は悲観しておらず、農政を70~80年単位で大局的に理解した上で、日本農業は150年ぶりのチャンスの時代だと説く。問題の数だけ未来があるという前向きな姿勢に、小さな研究室を運営する勇気をもらったと藤井氏は述べている。

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