東京大学大学院准教授の斎藤幸平氏は、新刊『血肉となる読書』の中で、自身の人生を変えた一冊との出会いを明かしている。それはマルクスの『ドイツ・イデオロギー』だ。
『武士道』からマルクスへ
高校時代まで部活のサッカーに夢中だった斎藤氏は、当時、新渡戸稲造の『武士道』に感銘を受け、精神論で世界を捉えていた。しかし、ゼミで『ドイツ・イデオロギー』と出会ったことで、世界の見え方が180度覆されたという。
2000年代初頭の日本
当時は2000年代前半。バブル崩壊後の日本経済は停滞し、小泉内閣による「聖域なき構造改革」が進められ、新自由主義的な経済政策が急速に進んでいた。2001年にはアメリカ同時多発テロ、イラク戦争が勃発し、反対の声を押し切って自衛隊のイラク派遣が決定された。
斎藤氏は「日本は米国の言いなりではなく、もっと自立した国にならなくては」と感じ、ブッシュ政権の言いなりになる日本政府の姿を情けなく思っていたという。
読書が持つ影響力
斎藤氏は「よく、一冊の本との出会いが人生を激変させることがあると言われる。私にとっては間違いなくマルクスとの出会いがそれだった」と述べている。



