弘法大師空海と縁が深い文化財を紹介する第46回大宝蔵展「高野山の名宝~大集合!金剛峯寺の宝物~」が7月11日、高野山霊宝館(和歌山県高野町)で始まった。前期展示(8月16日まで)では国宝5件、重要文化財7件を含む計58点を公開している。
高野山三大秘宝のうち2点が目玉
大宝蔵展は毎年夏に開催され、高野山真言宗・総本山金剛峯寺の歴史や宗祖空海の歩みを伝える。今回の展示の目玉は「高野山三大秘宝」と称されるうちの2点だ。一つは、空海が若い頃に書いたとされる国宝「聾瞽指帰(ろうこしいき)上巻」(平安時代、前期のみ展示)。3人の登場人物が儒教、道教、仏教の優劣を論じ、仏教が最良であることを戯曲のように表現している。空海が出家する際に著した「宣言書」と考えられ、空海の思想に迫る貴重な書物とされる。
もう一つは、空海が留学先の唐から持ち帰ったと伝わる国宝「諸尊仏龕(しょそんぶつがん)」(唐時代、高さ23センチ)。仏龕は仏像などを収めたり彫りだしたりする厨子のようなもので、諸尊仏龕は白檀の木から作られ、内部には40体以上の仏や神、獣などが精巧かつ立体的に彫り出されている。唐時代の香木による仏龕は中国に現存しておらず、世界的な名宝といえる。
学芸員の思いと後期展示の案内
展示を企画した菅家みづき学芸員(34)は「三大秘宝をはじめ、展示の機会が少ない宝物を見られる良い機会。子どもも理解しやすいよう説明を工夫しており、多くの方に訪れてほしい」と話す。後期展示は8月18日から9月27日までで、一部展示替えが行われる。問い合わせは霊宝館(0736-56-2029)。
東京国立博物館でも空海展
また東京国立博物館では7月14日から9月6日まで、空海の生誕1250年記念特別展「空海と真言の名宝」(読売新聞社など主催)が開かれる。真言宗の主要16派の総・大本山などに伝わる文化財が展示される予定だ。



