人間にはできなかった科学や数学上の発見を、AI(人工知能)が成し遂げ始めている。グーグルなど米ビッグテックも科学AIを開発し、AI自体の進化を加速させる。同時に、研究の世界でも寡占化が進み、開発競争に歯止めがかからないことへの懸念も高まっている。
膵臓がん研究でAIが発見
米オクラホマ大学血液腫瘍学内科の教授を務めた武部直子さんは、膵臓がんに関する実験データを眺めて驚いた。治療が極めて難しい膵がんに由来する細胞の増殖が抑えられていることを示すものだった。「半信半疑だったが、いけるかもしれない」
治療薬につながる可能性を秘めた標的遺伝子の候補を見つけたのは、日本企業「フロンテオ」のAIだ。膵がんとの関連が知られていなかった遺伝子を含む17の標的遺伝子について、わずか2日間で候補に挙げていた。
AIの自己改善と懸念
AIが科学的発見をなし得ることで、「自己改善で進化」に現実味が増し、暴走リスクの加速も指摘されている。研究の世界では寡占化が進み、開発競争に歯止めがかからないことへの懸念も高まっている。



