柔道家から力士へ 異色の経歴で角界入りした光星竜
大相撲の世界に、柔道家としての経歴とロケットづくりを夢見た過去を持つ異色の力士が登場している。東京都墨田区出身の光星竜(こうせいりゅう、音羽山部屋)は、三段目で活躍する25歳の若き力士だ。今年1月の初場所では序二段優勝を達成し、春場所では自己最高位となる東三段目3枚目で勝ち越しを決めた。
柔道で培った実力と米国留学の経験
光星竜は幼少期から柔道を始め、数々の大会で活躍してきた。小学生時代の全国大会では、後に2024年パリオリンピック90キロ級で銀メダルを獲得する村尾三四郎と対戦経験を持つほどだ。東京・安田学園高等学校を卒業後、彼は宇宙関係の仕事に就き、ロケットづくりを夢見て渡米を決意した。
米ネバダ州立大学への留学では、柔道を続けながら勉学に励んだ。実力を認められ、米国代表に誘われたこともあるほどだった。しかし、角界入りへの転機は、2023年12月に訪れる。光星竜の名付け親でもあった先代錣山親方(元関脇寺尾)が亡くなったのだ。
先代錣山親方の言葉が背中を押す
光星竜は先代錣山親方からかけられた言葉を今でも鮮明に覚えている。「アメリカに行くとき『お前がまわしをつける姿を見たかったけどなあ』と言われたんです」。この言葉が心に残り、「やらない後悔より、やって後悔する方がいい」と角界入りを決意した。
先代錣山親方の次兄・元関脇逆鉾(故人)の弟子だった音羽山親方(元横綱鶴竜)が師匠を務める音羽山部屋へ入門。昨年2月、25歳未満で相撲経験がなくても受験できる運動能力検査を経て、晴れて力士の仲間入りを果たした。
父は元幕内安芸ノ州 恩返しの土俵人生
光星竜の父は元幕内安芸ノ州(あきのしゅう)だ。父が現役時代に長く付け人を務めた先代錣山親方には「息子のようにかわいがってもらった」という。光星竜は父と先代錣山親方への恩返しとして、土俵人生を歩んでいる。
初土俵は昨年3月の春場所。1年が経過し、身体的にも精神的にも一回り成長した。来場所は自己最高位を更新する幕下に挑戦する。光星竜は「親方からは幕下には長くいないように、と言われています」と語り、さらなる高みを目指す意欲を見せる。
今後の目標と目指す力士像
光星竜が目指すのは、父や寺尾関のような突っ張りを受け継ぎつつ、師匠のような全てに対応できる力士になることだ。「序二段優勝をしたという自信が自分を支えてくれていると思います。合格点に近い」と自己評価する。
本名は今田光星、2000年9月11日生まれ。身長174センチ、体重124キロで、得意技は突き押し。異色の経歴を持ちながらも、大相撲の土俵で着実に歩みを進めている。
光星竜の今後の活躍が注目される。柔道家として培った体力と精神力を土俵でどう発揮するか、ファンの期待は高まるばかりだ。



