冬季パラリンピックで埼玉県出身選手が奮闘 地元で熱い声援に包まれる
冬季パラリンピックは8日、男子スノーボードクロス競技が行われ、埼玉県出身の2選手が健闘を見せた。所沢市出身の小須田潤太選手(35歳、下肢障害LL1)が4位、寄居町出身の市川貴仁選手(34歳、同LL2)が13位という結果を残した。両選手の地元ではパブリックビューイング(PV)が開催され、多くのファンや家族が熱い声援を送りながら競技を見守った。
小須田潤太選手「よく戦った」と母が称賛
所沢市役所で行われたPV会場では、小須田選手の家族が特製トレーナーを着用し、大きな声援を送った。母の美千代さん(62)は「けがなく滑って」とつぶやきながら、祈るような表情で息子の競技を見守っていた。
小須田選手は2012年に交通事故で右脚を切断するという経験をしている。当時、電話で連絡を受けた美千代さんは「とにかく生きていてよかったと安堵した」と振り返る。長期間にわたるリハビリ生活においても、息子は「落ち込む姿を見せず、いつも前向きに取り組んでいた」という。
メダルを懸けた決勝レースでは、小須田選手が出遅れ、途中のカーブで他の選手と接触。3位でゴールしたものの、走路妨害と判定され4位となった。美千代さんは「よく最後まで戦った。自分の滑りはできていたと思う。お疲れさまと言ってあげたい」と、息子の雄姿に目を細めていた。
市川貴仁選手「スピード出すぎた」と悔しさ
市川選手は準々決勝で好スタートを切り、一時はトップを滑走する快進撃を見せた。しかし、中盤のカーブで順位を落とし、準決勝進出を逃す結果となった。
寄居町役場で開催されたPVに参加していた家族のもとには、レース直後に本人から電話があった。市川選手は「過去一のいい滑りだった。それだけにスピードが出すぎて、対応できなかった」と悔しさをにじませたという。2歳の娘は「パパ頑張ったね」とねぎらいの言葉をかけていた。
母親の静子さん(69)は「この悔しさを生かして次も挑戦してほしい」と期待を寄せ、妻の美貴さん(33)は「自分の実力を出し切ってほしい」とエールを送った。
市川選手は2013年に交通事故で左脚を切断。その後、スノーボードを始め、前回の北京大会に続いて2回目のパラリンピック出場となった。
今後の活躍に期待
小須田選手と市川選手の2人は、14日に開催予定のスノーボード・バンクドスラローム競技にも出場する。地元埼玉県からは、引き続き熱い応援が送られることだろう。
両選手の健闘は、障害を乗り越えて競技に打ち込むアスリートの姿を鮮明に映し出している。交通事故という困難な経験を経ながらも、前向きにリハビリに取り組み、パラリンピックの舞台に立った彼らの姿は、多くの人々に勇気と感動を与えている。
地元でのPV開催は、選手たちへの直接的な応援の場となっただけでなく、地域全体でスポーツイベントを共有する機会ともなった。家族やファンの温かい声援が、選手たちの力強い原動力となっていることが感じられる光景だった。



