勝田貴元、WRC初優勝の裏側にあった多くの支えと34年ぶりの日本勢快挙
勝田貴元WRC初優勝、34年ぶり日本勢快挙の裏側 (04.04.2026)

勝田貴元、WRCで日本人34年ぶりの歴史的優勝を達成

2026年4月4日、世界ラリー選手権(WRC)において歴史的な快挙が達成された。今季第3戦サファリ・ラリー・ケニア(3月12日~15日開催)で、トヨタの勝田貴元選手(33歳)が日本人として実に34年ぶりの優勝を成し遂げたのである。ゴール直後、WRC公式インタビュアーから祝福を受けた勝田選手は、感極まった様子で「ありがとう。何て言ったらいいか…」と声を詰まらせた。

オンライン会見には約60人が参加、祝福ムードに包まれる

一夜明けて行われた日本メディア向けのオンライン会見には、約60人もの関係者が参加し、祝福の声が絶えなかった。勝田選手は祖父の照夫さん、父の範彦さんに続く「3世選手」として知られるが、キャリアの初期はカートからフォーミュラカーの道を歩んでいた。2015年にトヨタの育成プログラム第1期生に選出されたことをきっかけに、ラリー競技へ本格的に転向。フィンランドに拠点を移し、素人同然の状態から愚直な努力を重ねて技術を磨いてきた。

真面目で謙虚な人柄が多くの支持者を生む

勝田選手の真面目で謙虚、そしてフレンドリーな人柄は、多くの人々から支持される理由となっている。最大の理解者であるトヨタの豊田章男会長をはじめ、サポートする人々が後を絶たない。2019年シリーズ王者で、昨シーズン限りで引退した元同僚のオット・タナク氏もその一人だ。4日間の大会期間中、タナク氏は「友人として」母国エストニアで勝田選手より早く起きて情報を集め、競技の合間に戦略や注意点を事細かにアドバイスした。過酷なサファリラリーを生き抜いた勝田選手は「ものすごく、いろんな意味で支えになってくれた」と感謝の言葉を繰り返した。

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フル参戦6年目で悲願の初勝利、過去には5度の2位

WRCフル参戦6年目でようやく悲願の初勝利を手にした勝田選手。過去の最高成績は5度の2位であり、「少しでも早く1勝したかった」と本音を漏らしていた。トヨタの育成プログラムは既に5期生まで続いており、勝田選手は現役選手でありながら育成目的のチームを立ち上げ、一昨年から全日本ラリー選手権にも参戦している。第一人者として競技を引っ張る責任感の強さから、大きなプレッシャーを背負っていたことも明かした。

「優勝経験者たちに『1回勝つと心に余裕が持てる』と言われてきたのが、少しだけ分かる。今まで重荷とは感じていなかったけど、少し軽くなった感じ。今後は広い視野で戦えるんじゃないか。すごく楽しみ。(優勝を)最初で最後にするつもりはない。たくさん取るうちの最初の一歩だと思っている」

5月のラリー・ジャパンで凱旋、さらなる活躍に期待

5月下旬には、勝田選手の出身地である愛知県を舞台に今季第7戦ラリー・ジャパンが開催される。昨年11月のホームラリーでは、2日目まで優勝争いを繰り広げたものの、3日目に脱落する悔しい結果に終わっている。「そのリベンジも含めて、日本の皆さんの前で良い走り、良い結果を見せたい」と意気込む勝田選手。WRCウイナーとして凱旋し、日本ラリー界をさらに盛り上げることが期待されている。

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