名古屋地裁で「ついたて」運用が開始 手錠・腰縄姿を傍聴人から隠す配慮
名古屋地方裁判所において、刑事事件で勾留中の被告が手錠や腰縄を付けたまま法廷に入廷する様子を傍聴人から見えなくするため、入り口に「ついたて」を設置する運用が2024年4月13日に始まりました。この取り組みは、最高裁判所が2024年1月に全国の裁判所に対して通知を出したことを受けており、各地で順次導入が進められています。
具体的な運用の流れと現場の様子
13日午前に名古屋地裁で行われた公判では、法廷の入り口部分についたてが設置されました。被告が入廷すると、裁判長から「解錠してください」という指示が下され、被告の手錠や腰縄が外されました。その後、被告はついたての脇から現れて、弁護人の隣に用意された席に着席するという手順が取られています。
各弁護士会などの関係者によれば、ついたての設置はすでに岐阜地方裁判所などでも実施が始まっており、名古屋高等裁判所においても近いうちに運用が開始される見通しです。名古屋地裁・高裁の当局者は、具体的な運用方法について「個別の裁判体が判断する事項であり、一概には答えられない」とコメントしています。
背景と残る課題 弁護士らからは「人格権に反する」との声も
これまで、逮捕や起訴された被告が手錠や腰縄を付けた姿で法廷に入る様子は、傍聴人に直接見られることが一般的でした。しかし、このような状況は被告の尊厳を損なう可能性があるとして、人権面からの配慮が求められてきた経緯があります。
一方で、ついたての導入には課題も残されています。一部の弁護士らからは、「人格権に反する」との指摘が上がっており、被告の権利保護と司法手続きの透明性のバランスが今後の議論の焦点となるでしょう。この取り組みは、刑事裁判における人権尊重の一環として注目を集めており、今後の展開が注目されます。



